第11ハウスは「友達とコミュニティの室」。
友達とは、もちろん友人関係を指しますが、もう少し広い解釈になります。
サークルやコミュニティというような、志や価値観が近い仲間との関わりを指します。
上下や利害関係だけで成り立っているのではない、平和的な交流です。
その関わりを通して自分がどんな幸福を得られるかがわかります。
第11ハウスでは仲間を通して得る幸せがわかる
第11ハウスでは、友達関係やコミュニティ・サークルといった「仲間のグループ」に属したとき、自分らしさをどう発揮し人生の幸せに繋げていくか、その傾向が読みとれます。
第11ハウスの対極には第5ハウスがあります。
両方のハウスに共通する意味は「楽しみ・喜び」です。
第5ハウスが「個人的な楽しみ・喜び」であることに対し、第11ハウスは「グループで共有する楽しみ・喜び」。
同じ価値観や志をもつ友達や仲間といったグループ (集団)に規模が拡がり発展するのです。
趣味のサークルや同好会を連想しますが、志を共にする仕事仲間であるかもしれません。
楽しみや喜びを分かち合うために集まる、ということですね。
第11ハウスに天体がある場合、グループの中で、あなたがどんな楽しみや喜びを見つけ、人生に活かしていくのかがわかります。
第11ハウスに複数の天体(星)が集中してある人は、団体での活動に積極的に参加するといった特徴がみられます。
グループの中で自分のスタンスが明確になることは、友達や仲間から「あなたにいてほしい」「あなたのここがいい」と認められること。
人生を充実させるための糧が見つかるということ。
第11ハウスには、愛される力や希望といったキーワードがあるのもそのためです。
つまり、友達や仲間から「恩恵を受け取る」ことになります。
第11ハウスの天体は、他者からどのように恩恵(=愛)を受け取り、幸せを見出していくのかを教えてくれるのです。
天体ごと、それぞれの解説を読んでみてくださいね。
第11ハウスに「太陽」がある人【グループは自分の鏡】
第11ハウスに太陽がある人は、友達や属するグループは自分を映し出す鏡だと感じます。
友達やグループが放つカラーが、自分らしさと直結しているのです。
太陽は、ザ・自分らしさの天体。
太陽があるハウスは、その人が人生において重きをおく「舞台」です。
自分の理想に当てはまる組織やグループに属することで、アイデンティティを見出します。
また同じ理想を持つ仲間を探し当てることも得意です。
グループの中でも、ステイタスの高い人と縁が繋がりやすいのがこのタイプです。
理想の世界を創るため、積極的に人脈を広げ、社会活動にも熱心に取り組みます。
革新的で自由に発言や行動ができるような組織であるほど、のびのびと振舞えるでしょう。
堅苦しい雰囲気の組織では、才能や魅力が十分に発揮できません。
明るい未来志向のため、属する組織の発展のためには多少の不遇にも耐えられます。
目的のためであれば、困難すら自分の人生を彩る要素と考えます。
周りから見て、いい意味で目立つグループや組織の一員であることも多いでしょう。
仲間と互いに尊重しあうことを好むため、結果として雰囲気のいいコミュニティに属していることになりそうです。
第11ハウスに「月」がある人【友達といることが安心♪】
第11ハウスに月がある人は、居心地のいい仲間や友達、グループにいてこそ自分らしさを発揮できるでしょう。
月は、「何に安心感を求めるか」を教えてくれる天体です。
第11ハウスが表すのは、友達やコミュニティといった仲間です。
第11ハウスに月がある人は、わかりあえる仲間といることが何よりも心の支えになります。
ルームシェアをしたりする人も多いでしょう。
他者と私生活を共有することに抵抗感の少ない傾向があるからです。
男女ともに物おじせず、グループに馴染んでしまう特徴があります。
とくに第11ハウスに月がある男性の場合、女性ばかりの組織でも自然に馴染むことができ、本人も抵抗感が少ないようです。
周囲に安心感を与えるのは、第11ハウスに月がある人の特徴と言えます。
ただ、周囲に馴染みすぎてしまい、良くも悪くも人生の目標や価値観が環境に影響されやすいことには注意が必要です。
第11ハウスに「水星」がある人【グループは生きた情報源】
第11ハウスに水星がある人は、友達やコミュニティを通じ情報や知識を得て、自分の人生に役立てていくでしょう。
水星は、知性とコミュニケーションを司る天体。
グループや組織の活性化において、水星の力を活用することは必要不可欠です。
第11ハウスの水星は、幅広い世代の友達や仲間を通し、人生を切り拓くための情報や知識をインプットしていきます。
勉強会への参加やSNSでの交流により、自分の情報ネットワークを構築していくでしょう。
一人で学ぶより、複数の人の意見を取り入れて知識や情報のブラッシュアップをすることが得意です。
取り入れた情報を自分の中で形にし、アウトプットしていくことで評価を得ます。
時には明確な目標がなく、好奇心を満たすためだけにネットワークを利用する傾向もあるので、周囲への情緒的な配慮も必要になりそうです。
第11ハウスに「金星」がある人【マスコット的存在】
第11ハウスに金星がある人は、友達やグループの中でマスコット的存在として誰からも愛されるでしょう。
金星は、調和を重んじる天体です。
協調性があり、人を傷つけることなく、適度な距離を保ちながら人と人を繋げることが得意。
属するグループや仲間の中で潤滑油的な存在になることが多いようです。
ただし、協調性を重んじるばかりに自分の本音を出せなくなるといったことも。
時には自分の主張をはっきりさせることも大切です。
「快楽」や「美」といったことも金星の得意分野なので、気の合う仲間といることに幸福感を抱きます。
仲間と一緒に、レジャーを兼ねてグループ旅行を楽しむといったことも大好きでしょう。
芸術的な活動をするグループに縁があるかもしれません。
個人的な快楽も共有したがるという特徴から、友達やグループの中で恋愛に発展することが多いタイプです。
第11ハウスに「火星」がある人【熱血リーダーや応援団長】
第11ハウスに火星のある人は、グループや組織の中でも情熱を持ってリーダーシップを発揮するでしょう。
火星は、勢いや情熱、好戦的なエネルギーをもつ天体です。
そのエネルギーがグループや組織で発揮される形はというと、たとえばスポーツチームのリーダーや、それを応援する応援団長のようなイメージ。
勝ち負けを決めることだけではありません。
市民活動や環境問題、差別問題など「信念のために闘う」と決意したときに、その好戦的なエネルギーは情熱的に活き活きと発揮されるでしょう。
まさに火付け役。
組織やグループを活性化させる立役者になることも多いタイプです。
しかし好戦的エネルギーがいき過ぎると、他者を挑発し衝突したりといったことに発展しやすい傾向もあります。
時には周囲の意見を冷静に聞き入れて、調和をはかる寛容さも必要です。
第11ハウスに「木星」がある人【人脈もお金も一流のご縁】
第11ハウスに木星がある人は、人脈の発展がそのまま物質的な発展へと繋がりやすいでしょう。
趣味で始めた活動が、いつのまにか友達からの人脈を通し仕事として立派に成り立っていた、というようなサクセスストーリーも期待できます。
木星は、恩恵や発展、豊かさをもたらす天体です。
豊かな木星のエネルギーがグループや組織で発揮されると、想像を超えるような拡大や発展を遂げることもありそうです。
人脈の豊かさや人生の拡大は、単なる幸運によるものとは言い切れません。
第11ハウスに木星のある人は、精神的に大らかで他者への許容範囲も広く、信頼や評価を得やすいのです。
「グループの顔」的な存在になる傾向もあります。
恵まれた立場や幸運に甘んじることなく、精神的にも成長し続けることも特徴で、それは「一流」の名に相応しい素質といえるでしょう。
第11ハウスに「土星」がある人【時間をかけて耕す大地】
第11ハウスに土星がある人は、ネットワークや人脈といったものを構築することに慎重な傾向があります。
土星は、制限や忍耐といった縛りを物事に与えて、より強固なものにしていく天体です。
しっかりしたものを生み出すまで、慎重に厳密さをもってじっくり取り組むことを好みます。
忍耐強く慎重な特徴は、友達やグループに対しても発揮されるので、軽い表面だけのつき合い方は苦手かもしれません。
代わりに時間をかけて慎重に、互いの関係性を見極めます。
第11ハウスの土星は、じっくり時間をかけ吟味し、納得のいくネットワーク作りを好みます。
まるで、これから種蒔きする大地を丁寧に時間をかけて耕すようです。
ひとたび信頼関係が築けると、それは何より安定したネットワークとなるでしょう。
また特徴として、年配者や熟練者にも縁があります。
伝統を重んじ受け継いでいくような組織も、自分が納得すればしっかり守るべく順応していくことでしょう。
第11ハウスに「天王星」がある人【個性バラバラでOK!】
第11ハウスに天王星がある人は、個性的な魅力あふれる人が集まるコミュニティやグループを好む傾向にあります。
天王星は、改革と変化を表す天体であり、第11ハウスのルーラー(支配星)でもあります。
天王星のエネルギーが大いに発揮される、ということです。
第11ハウスに天王星をもつ人は、自分にはない魅力や、一見風変りで個性的な人やグループに興味を示し交流しようとします。
興味が持続している間の集中力は目を見張るものがあり、その影響をすぐさま受け入れて、改革と変化に向けて行動するでしょう。
年齢、性別、国籍、職業など、いわゆる“レッテル”は一切気にせず対等につき合えます。
またそんな自分を誇りに思う傾向もあるのです。
普遍的な関係性には興味がないので、その時々で交友関係の入れ替わりも多くありそうですが、それも常に変革と変化を求める天王星らしさ、ともいえます。
第11ハウスに「海王星」がある人【理想の仲間を追い求める】
第11ハウスに海王星がある人は、自分の感性が満足するような理想の仲間を追い求める傾向があります。
海王星は、夢や理想といった、自分にとってキラキラしたものを常に追い求める天体です。
直感や感情に従い「この雰囲気が好き」とか「この価値観が好き」と感じたグループや友達に溶け込もうとします。
特に、芸術的な才能のある友達や、スピリチュアリティを重視するグループに魅力を感じやすいでしょう。
インスピレーションを受け取れるからです。
しかし、その繊細な感性がゆえに、理想と現実のギャップで落胆したり幻滅を経験したりすることも多そうです。
「人は人、私は私」といった、割り切りを心がけて距離を保つようにすると、理想に固執することで感じるジレンマを解消できるでしょう。
第11ハウスに「冥王星」がある人【集団の本質を見抜く】
第11ハウスに冥王星がある人は、深い洞察力によりその集団の本質を見抜くことができるでしょう。
根本的な問題点などに気づくことが出来るため、ひとたびその発言が認められると一気に注目と評価を得られます。
冥王星の特徴である洞察力に加え、必要な破壊と再生をもたらすエネルギーが発揮されるからです。
しかし、あまりに深い部分を指摘するため、時には煙たがられ孤独を味わうことがあるかもしれません。
自分の理想のためそれに臆することなく信念を貫こうとする姿勢も、人によっては疎ましく感じられてしまうのかもしれません。
カリスマのようになるか、排除される対象となるか極端な場合も。
経験により困難を乗り越え精神的な成熟がなされれば、確かな地位を手にするでしょう。
人との交流は積極的にした方がよく、繋がりの先に人生を大きく変えるようなキーパーソンと出会う可能性があります。
第11ハウスに天体(星)がない人【平穏を意味する】
第11ハウスに天体(星)がないからといって、「友達や仲間に縁がない」「このハウスに意味がない」ということではありません。
天体がないことは、平穏であるとも受け取れます。
人生においてどこかに属することや、仲間うちに自分の居場所を見つけることに重きを置かないというだけです。
グループの中でも、自分が心地よい距離感を保って交流できたり、自分の世界を自分で充実させることが得意だったりするのかもしれませんね。
【まとめ】仲間の中で見つける幸せ
第11ハウスの特徴と、天体が在室した場合を詳しくお伝えしてきました。
一つ前にあたる第10ハウスでは、仕事を通した自分の表現方法を読み解きました。
この第11ハウスでは、仕事だけでなく、志と価値観が同じ仲間との交流が舞台です。
自分らしさを表現する、という意味に変わりはありません。
友達や仲間といったグループの中で、
どんな幸せや喜び、楽しみを見つけるのか。
自分らしさをどんな風に発揮するのか。
なにを得意とし、認められるのか。
第11ハウスは自分らしさを発揮したときに、仲間から「受け取る恩恵(=愛)」を教えてくれますよ。