占星術でホロスコープを読み解く上で、まず基本となるのは、天体と星座(サイン)の組み合わせです。

学び始めたばかりの方は、特にこの2つに集中して学ぶようにするとよいでしょう。

「さらに発展させたい!」という人は、ハウスアスペクトについて学んでいきましょう。

この2つが加わると、占星術の世界をより奥深く楽しめるようになります。

アスペクトについて解説していきます。

アスペクトとは?

そもそもアスペクトとは、2つ以上の天体同士の位置関係によって表される角度のことです。

日本語では、「座相(ざそう)」と呼ばれていますよ。

例えば、このホロスコープの場合、木星が牡牛座に、月と冥王星が蠍座にありますね。
アスペクト
牡牛座と蠍座はちょうど真向かい(180度)に位置している星座です。

そのため、牡牛座にいる木星と、蠍座にいる月と冥王星はちょうど180度の位置関係にあるということができますね。

このように、 2つ以上の天体が特定の意味のある角度をもったとき「アスペクトを形成する」という言い方をします。

アスペクトを形成している天体は、そのエネルギーをさらに高め合い、パワーアップすることができます。

意味のある角度とはどんな角度でもいいわけではなく、特定の角度が決められています。

アスペクトから分かること

ホロスコープは「天体」「サイン」「ハウス」の3つの要素から構成されています。

天体は、自分の中の個性ある10人の役者のイメージ。

サインは、その役者の役どころを表すもの。

ハウスは、その役者の個性や人生のイベントが、どんな場所やシーンで発揮されるのかを象徴するものです。

 

アスペクトからは、何がわかるのでしょうか?

アスペクトは、天体と天体の関係性です。2つの天体が意識しあっている、強く影響を与えあっている様子なのです。

役者が人生ストーリーの中で次々と織りなすシナリオ、すなわち「行動」がわかります。

実際の人生においては、何か起こった時の反応、行動パターン、などを読み取っていくことができますよ。

まとめてみると、こんな感じです。

  • 天体=役者
  • サイン=役者の役どころ
  • ハウス=背景や舞台
  • アスペクト=行動や心のパターン

アスペクトがわかることで、「動きそのもの」「行動や心のパターン」など、サインやハウスでは見えにくかった詳細がわかります。

例えば、男性の大御所の役者さんが王様役を演じたとしましょう。王様が活躍する舞台背景は、中世ヨーロッパとしますね。

ここまでが天体、サイン、ハウスで読み解けるところですね。

そして、ここにアスペクトの要素を加えると、

「王様は自分の中の攻撃的な衝動にいつも悩んでいて、時として衝動的な行動をとりがちだ」

というようなことまで表現できるわけです。

天体、サイン、ハウス、アスペクトの情報を組み合わせていくと、リアリティを持って星と日常とをつなげて考えていくことになります。

 
どの天体も360度のホロスコープ上にあるから、他の天体と角度を作ってるってことになりますね。

という事は、全部の角度がアスペクトになるってわけじゃないの?

そうです、アスペクトを形成する角度は決まっているんです。
 

メジャーアスペクトとマイナーアスペクト

アスペクトを形成する角度は、大きくメジャーアスペクトと、マイナーアスペクトに分類されます。

メジャーアスペクト

メジャースペクトは、アスペクトの中でも代表的なものです。古代から使われているアスペクトになります。

アスペクトを形成する角度:0°、180°、90°、120°、60°、150°

150°はマイナーアスペクトとして捉えることもありますが、最近ではその影響力の大きさが考慮され、メジャーアスペクトに分類されることが多くなってきています。

マイナーアスペクト

マイナーアスペクトは、近世の占星術で用いられるようになりました。

メジャーアスペクトのみでも解釈は十分ですが、未来予測などにおいてはマイナーアスペクトが重要になる場合があります。

アスペクトを形成する角度:30°、45°、72°、135°、144°

まずはメジャーアスペクトを押さえておけば十分ですので、今回は主にメジャーアスペクトについて解説していきます。

 

メジャーアスペクトについて

メジャーアスペクトは、0°、180°、90°、120°、60°、150°です。

これらはさらにソフトアスペクトと、ハードアスペクトに分けることができます。

ソフトアスペクト

ソフトアスペクトを、影響力が強い順に並べると

  • 120°(トライン)
  • 60°(セクスタイル)

となります。

ソフトアスペクトを形成する場合、天体間のエネルギーがスムーズに働きます。

「調和的(ハーモニー)」とも呼ばれます。

120°(トライン)

120°(トライン)
トラインとは、天体同士の角度が120°になることです。

ソフトアスペクトでは、天体同士がお互いにフォローしあい、それぞれの良さを引き出しあいます。

60°(セクスタイル)

60°(セクスタイル)
セクスタイルは、天体同士が60°の角度になることです。

ソフトアスペクトで、2つの天体のエネルギーが調和的で、なごやかな関係にあります。

このアスペクトがホロスコープ上にある天体同士は、バランスのよい状態を保つことができるのです。

ハードアスペクト

ハードアスペクトを、影響力が強い順に並べると

  • 0°(コンジャンクション)
  • 180°(オポジション)
  • 90°(スクエア)
  • 150°(インコンジャンクト)

となります。

ハードアスペクトを形成する場合、天体間がぎしぎししていてスムーズには働きません。

0°(コンジャンクション)

0°(コンジャンクション)
コンジャンクションとは、天体がぴったりと重なっている状態のことで、日本語では「合」と表されます。

0°なので、ソフトにもハードにも変化するアスペクトとされています。

コンジャンクションは、二つの天体のエネルギーが強調され、さらにパワーが強まります。

アスペクトの中で最も強い影響力を持つとされていて、これは良い部分だけでなく、悪い面も強め合います。

180°(オポジション)

180°(オポジション)
天体同士の角度が180°、つまり、正反対にあります。

ハードアスペクトで、天体同士がまっすぐに向かい合っています。
緊迫したムードがあり、お互いの働きがぶつかり合ってしまいます。

しかし、お互いに強くぶつかりあうことは「対立」だけでなく、高め合うという意味にも解釈できます。

ソフトアスペクトはポジティブ、ハードアスペクトはネガティブなイメージだと思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。

良い面や悪い面、必ず逆の側面も持ち合わせいるので、天体同士のバランスをきちんと考慮する必要があります。

90°(スクエア)

90°(スクエア)
天体同士の角度が90°になることです。
ハードアスペクトで、不安定・衝突・葛藤を表します。

2つの天体のエネルギーがぶつかり、それぞれ違う方向へ向かうため、緊張した状態に。

お互いの摩擦も多く、うまく噛み合いません。
足の引っ張り合いのような、不調和の状態が続いてしまいます。

しかし、こうした葛藤や逆境を軽減させるため、何らかの解決策を取るよう働きかける作用もあります。

150°(インコンジャンクト)

150°(インコンジャンクト)
天体同士の角度が150°になることです。別名「クインカンクス」とも言われています。

ハードアスペクトで、2つの天体が150°離れほとんど関わりがないため、ギクシャクしながら複雑に葛藤しあいます。

それぞれの天体の影響をお互いに調整していく必要があります。

古代からの占星術では、インコンジャンクトはメジャーアスペクトではなく、マイナーアスペクトに含まれていました。

しかし、現代占星術では、インコンジャンクトは重要視されており日常にも影響しているので、メジャーアスペクトとして分類しています。

 

オーブ(許容範囲)について

アスペクトを形成するには、天体同士が意味のある角度に位置している必要があります。

とはいっても、天体がぴったりその角度になることはなかなかありません。

そのため、多少の誤差が認められています。この誤差のことを「オーブ」といいます。

オーブの数値が小さいほど天体同士がぴったり重なっているということなので、アスペクトの影響は強くなります。

主なアスペクトのオーブは、次のとおりです。

  • 0度(コンジャンクション):±8度
  • 180度(オポジション):±6度
  • 90度(スクエア):±6度
  • 120度(トライン):±5度
  • 60度(セクスタイル):±5度
  • 150度(インコンジャンクト):±3度
  • 太陽と月を含むアスペクト:±7度

例えば、150度(インコンジャンクト)のオーブは±3度なので、天体同士の角度が147度〜153度になっている場合を「150度(インコンジャクト)のアスペクトを形成している」と言います。

なお、この誤差の範囲は確定されたものではなく、研究者や占星術師によって異なります。

ここで取り上げたオーブの数値は、ひとつの目安として活用してみてください。

 
まずは各アスペクトの細かい意味より、全体的な枠組みを把握できるようにしましょう。
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