カスプ(境界線)とは、ホロスコープ上の12のハウスを区切る線のこと。
カスプには、ハウスの性格をより表すヒントが隠されています。
ハウスに星がない場合でも、そのハウスの活かし方を知ることができます。
「カスプ」を知り、さらに星を深く知る方法を学んでいきましょう
【カスプ】とは12のハウスを区切る境界線
【カスプ】はハウスの玄関であり【カスプのサイン】は玄関の表札
カスプとは、「境界線」を意味する言葉で、「ハウス」と呼ばれる12の部屋を区切る線のことを指します。
ハウスの起点となるカスプは、例えるならば、家(ハウス)の玄関です。
そして、12のカスプのサイン(星座)は、12のハウスの表札であり、各ハウスの性格を特徴づけます。
12のカスプのうち、第1ハウス、第4ハウス、第7ハウス、第10ハウスのカスプは特に重要視され、他者から見た自分や目指すべきキャリアなどを表します。
●第1ハウスのカスプ
アセンダント(ASC:Ascendant)
物事の始め方・条件反射・他人から見た自分を表す
●第4ハウスのカスプ
イムム・コエリ(IC:Imum Coeli)
土台になる部分・安心感を得られること・心の拠り所を表す
●第7ハウスのカスプ
ディセンダント(DSC:Descendant)
対人関係・他者との関りを表す
●第10ハウスのカスプ
ミッドヘブン(MC:Midheaven)
社会で目指す地点・キャリアや人生の方向性を表す
例題のホロスコープを通して、カスプを見てみましょう。
例題の第1ハウスのカスプ(アセンダント)は、獅子座の1度にあります。
第1ハウスは、星読みにおいて自我や自己を表す場所です。
第1ハウスのカスプは獅子座のサインなので、例題は、獅子座の明るいエネルギーを自己の素質として持っていることになります。
そのため、周囲からは「例題は堂々とした雰囲気の人だなあ」と見えるでしょう。
また、第1ハウスのカスプである獅子座の1度は、「脳溢血の症例」というサビアンシンボルが付いています。
例題は、獅子座の中でも、より元気なエネルギーが外見にあふれていると推測できます。
ハウスの入り口であるカスプを読むと、そのハウスの特徴がより理解できるのです。
【カスプの5度前ルール】近くの天体は次のハウスの影響を受ける
ハウスとハウスは、カスプによって区切られています。
しかし、ハウスの性質は、カスプでくっきりと区切られているわけではありません。
例えば、家は建物だけではなく、庭や駐車場が付いている場合もありますよね。
「どこからどこまでが家か」と考えると、定義はしづらいものです。
ホロスコープのハウスも然りです。
例えば、なこちゃんの火星は6ハウスにあり、山羊座の28°07’にあります。
第7ハウスのカスプは、水瓶座00°21’であり、火星から第7ハウスまでの距離はわずか2度。
玄関や庭も含めて1つの家であると考えると、カスプの近くにいる天体は、次の家(ハウス)に入りかけているようなもの。
ハウスの影響は、カスプの5度前くらいから発生していると考えられ、一般的に「5度前ルール」と呼ばれています。
カスプのすぐ近くに天体がある時は、その天体が次のハウスにも関係していると考えます。
つまり、例題の火星は第6ハウスに滞在していますが、第7ハウスの玄関の近くにいるため、第7ハウスにも影響すると読めるのです。
ハウスとハウスのカスプじゃなくて、星座と星座のカスプの間に生まれた人はどうなるの?
例えば、双子座と蟹座の境目に生まれた人は、フットワーク軽く情報収集をしながら、家庭も大事にすることを目指す人生になるかもしれませんね。
ホロスコープを読む時は、実際に自分がどちらのサインの影響を受けているかを考えながら読んでいくといいでしょう。
ハウスに天体がない場合はカスプの支配星を読む
ホロスコープには、12のハウスと10個の天体があります。
すると、必ず天体が入っていないハウスが出てきます。
天体の入っていないハウスは、天体のあるハウスと比べて、ハウスの特性が出てくる力が弱まりますが、どんなホロスコープでも必ずハウスの影響を受けています。
天体がいないハウスについて星読みをする時は、各カスプのサインの支配星(ルーラー)をチェックしましょう。
支配星とは、12サインそれぞれにある、馴染み深い天体のこと。
カスプのサインの支配星(ルーラー)がどのハウスに飛んでいるかを見ると、そのハウスにまつわる分野(仕事、恋愛など)の傾向や対策を知ることもできます。
星座 | 支配星(ルーラー) |
牡羊座 | 火星 |
牡牛座 | 金星 |
双子座 | 水星 |
蟹座 | 月 |
獅子座 | 太陽 |
乙女座 | 水星 |
天秤座 | 金星 |
蠍座 | 冥王星 |
射手座 | 木星 |
山羊座 | 土星 |
水瓶座 | 天王星 |
魚座 | 海王星 |
例えば、例題のホロスコープでは、3ハウスに天体はありません。
第3ハウスは、身近な友人関係などを表す場所。
第3ハウスに星がない場合、「友達ができない」「友達は必要ない」と読んでしまいそうですが、そんなことはありません。
第3ハウスのカスプのサインは乙女座で、乙女座の支配星は水星。
乙女座の水星は第9ハウスに飛んでいます。
第9ハウスは、高等教育や哲学などの専門的な学術分野、海外などを表します。
例題は、大学や専門的なことを学べる場所、海外などで仲の良い友達ができやすい、と読むことができます。
ハウスの中に天体がなかったとしても、カスプのサインと支配星の位置を見れば、ハウスの働きを推測できるのです。
【カスプ】をもっと読んでみよう
【オノ・ヨーコさんのカスプ】芸術家としての社会的活躍を示唆
オノ・ヨーコさんのホロスコープのカスプを見ていきましょう。
●1933年2月18日 20時30分 東京都生まれ
オノ・ヨーコさんの第1ハウスのカスプは天秤座です。
第1ハウスは自我や自己を表すハウスなので、その入り口となるカスプは、自己像、自我イメージなどを表します。
第1ハウスのカスプが天秤座にあるので、オノ・ヨーコさんは、エレガントで社交的な天秤座のような自己像を持っていることになります。
実際にオノ・ヨーコさんは、ご両親が銀行や財閥の家系というご出身。
生粋のお嬢様です。
品格高い雰囲気が、ホロスコープにも表れていますね。
また、稼ぐ力を表す第2ハウスのカスプは蠍座にあります。
蠍座が意味する、無意識にアプローチする洞察力などが社会における才能となることが分かります。
夫のジョン・レノンさんと共に行なったアーティスト活動は、オノ・ヨーコさんにとって自然な流れであったわけです。
一見すると、「第2ハウスには星がないので、稼ぐ力は特には強くない」と読めそうですが、蠍座の支配星である冥王星が、社会的活躍を表す第10ハウスに飛んでいます。
社会で認められた結果として、金銭的にも潤うと推測できるのではないでしょうか。