勉強時、脳のパフォーマンスを上げるためには、食べるものにもこだわりたい。今すぐ実践できる食事法を伝授します。
最初に野菜、炭水化物は最後に食べる
最近では「糖質制限」という言葉をよく耳にします。その為のに、糖の質や摂り方・適量などがとても大切になります。なぜなら、糖を制限しすぎると筋肉が減少し、基礎代謝量が落ちてしまいます。
糖は、なんといっても脳に必要なエネルギー源。脳のパフォーマンスを上げるには血糖値コントロールがカギとなってきます。
通常、人は食事をすると血糖値が上昇し、すい臓からのインスリンが分泌されて、高血糖にならないようにコントロールされます。健康であれば、血糖値は食後約1時間をピークに、5~6時間ほどで空腹時の値に戻ります。
食後の眠気を起こさず、集中力を持続させるために、避けたいのが血糖値の乱高下です。血糖値は急激に上がると、その後、急激に下がりますが、下がりすぎると眠い、だるい、うつっぽいなどの低血糖症状に陥ってしまいます。
このような血糖値の乱高下を「血糖値スパイク」と呼びます。個々の脳力を発揮するためにも、急激に血糖値を上げる糖質は避けましょう。
このとき参考にしたいのが食品の「GI値」です。これは白砂糖を100~110として、血糖値の上昇度合いを表したもの。70以上の高GI値の食品を空腹時に食べると、血糖値スパイクが起きてしまいます。
例えば、うどんのGI値は85で、蕎麦は54。血糖値をコントロールするうえでは、ランチはうどんより蕎麦がベターです。
次に意識するのは食事の順番。低GI値の食材から食べることを心掛け、野菜(葉物)またはタンパク質、そして最後に炭水化物を食べましょう。
例えば焼肉屋では、サラダやナムルなどを食べてから、お肉。その際、砂糖が多いタレよりも、塩やレモン、わさび醤油で。シメは冷麺がおすすめです。
なぜなら冷たくなった炭水化物は、でんぷんの一部がレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)に変わり、急激な血糖の上昇を抑えてくれるからです。食物繊維と同じく腸内環境も整えるため、「冷えて得する栄養素」とも言われています。
糖をエネルギーに変えるにはビタミンB1が不可欠です。エネルギーに変えられなかった糖は乳酸となり、疲労が蓄積されていきます。
B1は記憶や神経伝達に関係しています。試験前の勉強や一夜漬けなどで頭を使うと、尿中のB1排泄も多くなります。集中力の低下、注意散漫や忘れっぽくなったりしたら、B1不足の症状かもしれません。
それを補うのにうってつけの食材が豚肉です。勝負時の願掛けに、トンカツを食べるのも理にかなっています。豚肉と玉ねぎのガーリック炒めはおすすめです。
豚肉にプラスしたいのはニンニクやねぎ、玉ねぎやニラなど。これらに含まれるアリシンがB1の吸収を助けるためです。
受験生、ビジネスマンは卵を1日3個食べなさい
また、たくさんのスパイスが脳を刺激してくれるインドカレーもおすすめ。日本のカレールウは小麦粉が多く入っているため、血糖値が上昇しやすいです。小麦粉が使われていないスープカレーがよいでしょう。カレーには白米ではなく、B1や食物繊維の多いもち麦や雑穀米などを選び、量も調整しましょう。
蕎麦は白米に代わりB1補給の食材としても重要視されています。カレーと合わせた南蛮蕎麦は、血糖値スパイクを回避できて一石二鳥。
さらに、卵は脳のための最強食材。記憶力を高めたい、物忘れがひどくなったと感じる人をサポートしてくれる食材です。
卵の黄身には細胞膜の主成分であるレシチンが豊富。神経伝達物質の材料であるコリンも含まれています。頭を使うビジネスマンには、優秀なタンパク源として1日3個を食べることを勧めています。
卵をたくさん食べると血中コレステロール値が上がり、体に悪いのでは?と心配な人もいるでしょう。しかしこれは誤解。食事から摂るコレステロールは、血液中のコレステロールとは関係ないことが2015年に日本動脈硬化学会で発表されています。
朝の卵かけご飯は、血糖値の乱高下を防げるのでおすすめ。血糖値が下がりきる前、3時のおやつにゆで卵、夕飯は豚しゃぶに卵ポン酢など、工夫してみてください。