行動パターンの改善とヨガポーズで硬さを克服
ヨーガキネシセラピーは、西洋と東洋の医学を融合し心身を整えるキネシオロジーを原点とする谷戸先生考案のメソッド。東洋医学でエネルギーの通り道とされる経絡はネガティブ感情によって滞り、関係する筋肉が硬くなると考えられています。
「特に股関節はネガティブ感情が溜まりやすく、潜在的に残る幼少期の嫌な経験が硬さに影響することも。なかでも嫉妬、罪悪感、恐怖心が強いと股関節の動きに直結するお尻や太腿の筋肉が硬くなります」と谷戸先生。
硬さをほぐすには次から紹介する「行動」の習慣化と、股関節まわりの筋肉にアプローチしてほぐす「ヨガポーズ」の実践が有効。
「まずネガティブに傾く行動パターンに気づき、見直す心掛けを。筋肉は収縮させて解放するとゆるみやすいので、『鍛える↓伸ばす』の順にポーズを行いましょう。ポーズのきれいな形に執着すると力みが生まれるため、心身の健康を目的にリラックスして行うのもポイントです」
ネガティブ感情【罪悪感】
→〈大腸経絡〉大腿筋膜張筋・ハムストリングスが硬くなる
ヨガへの影響…前屈しにくい
思い当たるかCheck!
□ 仕事などでミスをすると夜も眠れない…
□ ときにはジャンクフードを食べたいけど、そんな姿を他人に見せたくない
ツライ気持ちは吐き出し自尊心を高める行動を
罪悪感を溜め込み感情をデトックスできないと、体は排泄を司る大腸経の働きが低下。この経絡と関連するハムストリングスと太腿の外側を走る大腿筋膜張筋が硬くなり、股関節の屈曲と内旋に支障が現れます。罪悪感を引きずる人は過去の過ちに意識が向くため、股関節がうまく機能せず脚が前に出にくいともいわれます。
罪悪感を手放せないと自分の失敗を許せないばかりか他人にも厳しくなり、「こうじゃなければダメ」という正義感で追い詰めてしまう傾向が。また『こんなことをしたらどう思われるだろう』と他人の心の内は気になるのに自分の心とは向き合えず、客観視も苦手なので〝本当の自分を知らないこと〞で起こる自己嫌悪にも注意を。ツライときは声に出して吐き出し、罪悪感のもとになる苦しみを自覚すると心が整理されて客観的視点が養われます。インドでは神様は24時間人々の悲しみに耳を傾けるといわれているので、ひとりで溜め込まないで。
完璧主義が故に自分を認められないため、自尊心を高める努力も必要。ヨガでは「体は神が宿る神殿」と考えられています。そう思うと自分という尊い存在を苦しめない良い選択ができるはず。もし間違いを起こしたら二度と過ちを起こさないと心に決め、ミスした過去は忘れていい。人は間違いを繰り返して当たり前、という考えを持ちながら前向きにトライ&エラーを繰り返し、日々進化しましょう。
行動でほぐそう
・感情をきちんと声に出してみよう
・自分の体は神聖な神殿と思い、体も部屋もきれいに整えよう
ポーズでほぐそう
大腿筋膜張筋ワーク
①【鍛える】
右体側を下にして横になり、右肩の下に肘をつき左手は腰に。肩の力を抜き、つま先を前に向けて左脚を腰から30度持ち上げてキープし、左脚の大腿筋膜張筋を刺激。反対側も。5呼吸
できる人は腰をアップ
②【伸ばす】ワニのポーズ
仰向けで両膝を立て、両手のひらを上にして肩の真横に伸ばす。左足首を右膝にかけて膝を左側に倒し、両肩が浮かないところでキープ。右脚の大腿筋膜張筋の伸びを感じて。反対側も。5呼吸
ハムストリングスワーク
①【鍛える】バッタのポーズ
うつ伏せで両手を後ろで組み肩甲骨を寄せる。吸う息で胸と太腿を床から持ち上げてキープ。つま先を高く上げると膝が曲がって腿裏がゆるみ、腰に負担がかかるので膝は伸ばす。5呼吸
②【伸ばす】座位前屈アレンジ
長座になり両足裏にベルトをかけ、腰を立てつま先は上に。息を吐きながら、痛みがなくハムストリングスが気持ちよく伸びる角度まで上体を前に倒してキープ。5呼吸
NG:上体を深く倒そうとするとつま先が外に開きがち。すると太腿の外側がストレッチされてハムストリングスが伸びない。