正しく「ドローイン」できてる?

お腹を凹ませることで、姿勢改善やお腹ヤセなどが叶う「ドローイン」を知っていますか?

「ドローイン」とは?

 

「ドローイン」(Draw in)とは、引っ込める、引いて中に入れるという意味で、おへそを背骨に近付けていくように、腹部の筋肉を収縮させて、腹圧を高める方法です。

一言でいうとお腹を凹ませることですが、立っている時、仰向けや四つ這い、歩いている時、座っている時などいろんな体勢で「ドローイン」ができることが理想です。

今回は、「ドローイン」の目的と大事なポイントをお話します。

ドローインが正しくおこなえると、
・体幹が安定する

・思い通りに身体を動かせる
・疲労を抑制する
・怪我を防止する
・姿勢が良くなる
・スポーツなどのパフォーマンスが上がる
・お腹が痩せる
・代謝が上がる
・腰痛などの痛みが和らぐ
・尿漏れや内臓脱の予防と改善
・自律神経が整う
といったこれだけのプラスの効果が期待できます。

安全かつ効果的にヨガをおこなうためにも、日常生活を快適に過ごすためにも「ドローイン」は大切なのです。ぜひマスターしたいですよね。

「ドローイン」に必要な筋肉

「ドローイン」をおこなうためには、
・横隔膜

・腹横筋
・多裂筋
・骨盤底筋群
の4つの筋肉の働きが重要になります。

インナーユニット4つの深層筋
インナーユニット4つの深層筋

この4つの筋肉が、腹部を囲うようにドーム状のスペースを作っていて、その腹腔内を引き締めて安定させたり、緩めて柔らかくしたりなどの働きを担っています。

この4つの筋肉からなるこの部分を「インナーユニット」といいます。
「インナーユニット」の4つの筋肉すべて意識しながら「ドローイン」することは最初は難しいので、一番実感しやすい「腹横筋」の動きに今回注目します。腹横筋が働くと、残りの他の3筋も必ず連動して働きます。

「ドローイン」をマスターしよう

 

今回注目する腹横筋は、「天然のコルセット」ともいわれ、腹巻のように筒状をしていて、お腹と腰全体を守るようにグルッと巻きついている筋肉です。筋肉の形状をまずイメージしましょう。

吸う時・・・お腹の力を抜いて柔らかく少し膨らませる。
吐く時・・・おへそを背骨に近付けていくように、お腹を薄く凹ませていく。この吐く時が「ドローイン」です。(吸う時も吐く時も両方お腹を凹ませ続けるドローインの方法もあります。)

では、
・仰向け

・立位

・うつ伏せ

この3つの姿勢で「ドローイン」がうまくできるかどうか、チャレンジしてみましょう。

①仰向けで「ドローイン」

「ドローイン」が最も体感しやすい姿勢です。

仰向けになって両膝を立てて、腰骨といわれる左右の腰の出っ張った骨(ASISといいます)を見つけます。そのASISから1~2センチ指先をおへそ寄りにずらして、その辺りを人差し指・中指・薬指の3本の指先で少し押さえます。その位置で腹横筋を触ることができます。

ASIS
仰向けになって両膝を立てて、腰骨といわれる左右の腰の出っ張った骨(ASISといいます)を見つけます。そのASISから1~2センチ指先をおへそ寄りにずらして、その辺りを人差し指・中指・薬指の3本の指先で少し押さえます。

吸う時に軽くお腹を膨らませて、吐く時にお腹を凹ませましょう。1分間呼吸を続けます。吐く時に、指先で触っている腹横筋がグーッと硬くなってきたら「ドローイン」ができているので成功です。

ドローイン
吸う時に軽くお腹を膨らませて、吐く時にお腹を凹ませましょう。1分間呼吸を続けます。吐く時に、指先で触っている腹横筋がグーッと硬くなってきたら「ドローイン」ができているので成功です。

硬くなっているのかイマイチ分からない時は、「コホンッ」と咳払いしてみましょう。今触っている腹横筋が、咳をした瞬間に硬くなったはずです。それを息を吐く時に再現しようとすれば良いのです。

②立位で「ドローイン」

立った状態で、おへその少し下の下腹部に手のひらを当てます。吸う時に軽くお腹を膨らませて、吐く時にお腹を凹ませましょう。1分間呼吸を続けます。吐く時に、手のひらで触っている下腹部をひっこめることができたら「ドローイン」ができています。肩や胸に余計な力が入っていないか注意しましょう。力が入るのは腹横筋だけです。

ドローイン
立った状態で、おへその少し下の下腹部に手のひらを当てます。吸う時に軽くお腹を膨らませて、吐く時にお腹を凹ませましょう。1分間呼吸を続けます。

もう一つの方法です。

メジャーか紐、ヨガベルトを使います。おへそから5センチほど下にメジャーをお腹にピッタリ巻き付けます。そのメジャーが緩くなるように下腹部を凹ませられたら、「ドローイン」成功です。お腹の正面だけでなく、お腹のサイドも細くするように意識します。お腹に腹巻を巻いているつもりで、息を吐く時はその腹巻をキューッとひと周りふた周りと細くしていくようなイメージです。

ドローイン
メジャーか紐、ヨガベルトを使います。おへそから5センチほど下にメジャーをお腹にピッタリ巻き付けます。そのメジャーが緩くなるように下腹部を凹ませられたら、「ドローイン」成功です。

 

③うつ伏せで「ドローイン」

うつ伏せになります。この時おへそはペタッと床に密着していますよね。そこから一度息を吸って、吐く時にお腹を凹ませて、おへそを床から離します。1分間呼吸を続けます。吐く息のたびに、うまく床からおへそが浮いて離れたなら「ドローイン」ができています。イメージは、おへその下にプチトマトが1つあって、それを自分のお腹でペチャっと潰さないように、おへそと床との間に隙間を作ろうとする感覚です。

ドローイン
うつ伏せになります。この時おへそはペタッと床に密着していますよね。そこから一度息を吸って、吐く時にお腹を凹ませて、おへそを床から離します。1分間呼吸を続けます。吐く息のたびに、うまく床からおへそが浮いて離れたなら「ドローイン」ができています。

 

最後に

「ドローイン」は、安全かつ効果的にヨガをおこなうためにも、そして日常生活を快適に過ごすためにも必要不可欠です。

「ドローイン」している時とそうでない時との、ヨガポーズの安定感や力強さ、バランス感覚の違い、疲労感や持久力の違いをぜひ体感してみてください。また日常生活でも、階段を登ったり重いものを持ち上げる時など、「ドローイン」を意識するとしないとでは、同じように違いは明らかだと思います。

「ドローイン」している時と、していない時との違いに是非まず気付いてください。そして、「ドローイン」が正しくできるようになると、これからのヨガや日常がより心地良いものになるはずです。

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