第12ハウスは「見えない世界と無意識の室」

第12ハウスは解釈が難しい室ともいわれます。なぜでしょうか?

それは、見えない世界を司るハウスだからです。

無意識・潜在意識の領域にあたります。意識にあがりにくく、物理的に捉えにくいということですね。

心理学的には「集合的無意識」ともいわれます。

存在するのに見えていないだけ、と捉えてみるといいかもしれませんね。

特徴を知り意識するようになれば、とてもパワフルに活かすことができるハウスと言えるでしょう。
12house_position

第12ハウスでは「見えない世界」がわかる

第12ハウスを表すキーワードには、見えない世界・無意識(潜在意識)・秘密・障害・抑制……といったものがあります。

捉えどころのないような、場合によってはちょっと扱いにくいような印象も受けますね。

共通しているのは「目に見えない」「意識されにくい」ことで、心理学でいえば「集合的無意識」と捉えられるでしょう。

見えていないけど、実はとてもパワフルにその力は働いています。

意識と無意識にズレが生じて挟まれると、動きにくくなったり、葛藤を感じたりすることがあるでしょう。

第12ハウスのキーワードに障害や抑制といった言葉があるのは、この状態を表しているのです。

 

第1ハウスから始まり、魂の集大成を表すのが第12ハウス。

魂が成熟していくなかで知らなかった自分見えていない素質に気づかせてくれるはずです。

成長と進化を繰り返すために、大切な気づきを与えてくれるハウスです。

第12ハウスの秘められたメッセージを知ることで、これまでの意識を超えてよりパワフルにスムーズに人生を歩むことができますよ。

第12ハウスに「太陽」がある人【幸福は何かを知っている人】

太陽第12ハウスに太陽がある人は、自分にとって何が幸福かを知っている人です。

現実社会にしっかり足を着けた充足感とは別に、内面的・精神的な充足の仕方もちゃんとわかっています。

内面が満たされているとき、とてつもない幸福感を味わうことができるでしょう。

太陽は「自分らしさ」の集大成です。

第12ハウスに太陽をもつ人は、見えない世界でも「自分らしさ」を発揮することがとても大切です。

自分の内面を満たす世界に浸ることで、心のバランスが保たれる傾向にあります。

誰にも邪魔されない自分一人きりの場所や時間を確保することが必要でしょう。

内なる自分を上手に発揮することが得意なので「もう一つの顔をもつ」という人もいるかもしれません。

たとえば専業主婦だけどお料理レシピを発信している人気ブロガーとか、会社員だけど夜はバーテンダーというような、2つの異なる世界をもつ人です。

第12ハウスには匿名や秘密というキーワードもありますから、活躍していても本名や顔を公表することは避けている人が多そうです。

第12ハウスに「月」がある人【ピュアなファンタジーを大切にする人】

月第12ハウスに月がある人は、とても繊細な感性の持ち主

出来事の背景や人の奥底に目を向けて尊重したい、という気持ちが常にあります。

原点やルーツに想いを馳せ慈しむ気持ちがあるのです。

イマジネーション豊かで、ファンタジーな映画や作品を通し想像の世界に触れることで癒されることも

郷愁を誘うような音楽や景色に、訳もなく胸がいっぱいになる人もいるのではないでしょうか。

繊細な感性を表現し、人々の胸を打つような芸術的活動が得意かもしれません。

月は母性を表す天体なので、母親からの影響を深く受けている人も多そうです。

また月は、プライベートも表します。

第12ハウスの特徴と重なったとき「プライベートが見えない」とか「生活感がない」という印象を周囲に与えることもありそうです。

もっとも深いプライベートである「自分の感情」を表現することが苦手、という人もいるでしょう。

安心できる一人だけの時間をもつことが、心の安定に繋がります。

第12ハウスに「水星」がある人【集合的無意識の代弁者】

水星第12ハウスに水星がある人は、見えない世界からのメッセージを受け取ることが得意です。

第12ハウスは「見えない世界」。そして水星は情報を司る天体です。

無意識の世界からくるメッセージを直感的に受け取りやすい、ということになります。

一人静かに過ごす時間に、ひらめきや直感といった形でキャッチできるでしょう。

また水星には、伝達・コミュニケーション・インターネットといった特徴もあります。

受け取ったメッセージを文章にしてSNSで発信、という形で才能を活かすことができそうです。

饒舌なタイプではないので、雄弁に語るというよりは文字にして表現する方が得意かもしれません。

ポイントは一人静かに集中できる状態であること。

多くの人の「集合的無意識」に働きかけることができそうです。

第12ハウスに「金星」がある人【深い悦びを見つける人】

金星第12ハウスに金星がある人は、趣味や快楽といった楽しみを見えない世界に求める傾向があるようです。

金星は美と快楽、楽しむことを得意とする天体。

見えない・隠された室の第12ハウスにあることから、現実離れした世界に身を投じることに刺激や悦びを感じたりします。

秘密の恋愛や、非日常的なアクシデントに心がときめいてしまうことも。

娯楽や快楽への感性が深いという特徴でもありますが、現実社会との調和を意識することが大切です。

愛情が向かう先を拡げて、博愛的なボランティア精神を身につけることもオススメですよ。

また、多くの人の美的センスや娯楽を刺激する才能もあります。

ゲームクリエイターやファッションリーダーとして活躍する人もいるでしょう。

第12ハウスに「火星」がある人【ここぞ!で動くヒーロー的な人】

火星
第12ハウスに火星がある人は、内なる攻撃性や積極性を認めると、その才能を上手に発揮するようになるでしょう。

火星は、行動力の源となるパワーをもつ天体です。

このパワーが見えない世界の第12ハウスで沈められたままになると、ふとしたタイミングで暴発してしまうかもしれません。

第12ハウスがもつ特徴の「秘密」に加えて、抑圧された火星の攻撃性は、時として匿名による誹謗中傷といった形で爆発してしまうこともあります。

もしくはそういったことを受ける側になってしまうことも。

まずは、火星のエネルギーが自分の奥底にしまわれていると自覚することが大切です。

火星の存在を認めてあげることで、パワーの矛先を正しく向けられるようになります。

「ここぞ!」というタイミングでその行動力を発揮でき、火事場の馬鹿力を良い意味で使えるようになるのです。

また、スポーツをしたりして火星のエネルギーを放出するよう意識することも、バランスを保つ秘訣です。

目標を持ち、そこに向かって努力を続けることもエネルギーの放出になるのでいいでしょう。

第12ハウスに「木星」がある人【目に見えない力で守られている人】

木星第12ハウスに木星をもつ人は、見えない世界でも発展や豊かさの恩恵を受ける人

木星という天体が表す「発展・豊さ・恩恵」といった幸運を、表面には見えない世界で受け取ります。

たとえば本業とは別に始めた副業が、本業を上回る成功を収める、などです。

周囲からみても「ラッキーな人」という印象があるのではないでしょうか。

ピンチに陥ったとき、なぜかうまく事が運び切り抜けられたとか、絶妙なタイミングで助けの手を得られたりすることも多いかもしれませんね。

自分ばかりが恩恵を受けるのではありません。他者にも同じように与えます。

基本的に「いい人」なので「単なるラッキーな人」ではなく、「善意のあるラッキーな人」と、周囲からは思われるようです。

第12ハウスに「土星」がある人【深淵なる哲学者】

土星第12ハウスに土星がある人は、見えない世界を形にすることに興味を持ちます。

第12ハウスは見えない世界を司りますが、土星は形式や仕組みといった、目に見える形や法則を得意とする天体です。

目には見えないけど「理にかなっているかどうか」、「信用できるかどうか」を土星は常に考えています。

自分が納得する理論や方程式に合っているかどうか、自分が受け入れるための判断基準を持っていることが多いでしょう。

また、判断基準をあらたに作り出そうともします。

見えない世界を体系化することが得意なので、もしかしたら素晴らしい哲学を打ち出すかも。

憂鬱な思い出や気持ちを持ちやすいのも、第12ハウスに土星がある人の特徴です。

言い換えると人生の哀愁を体感できているということ。

哀しみや辛さも人生の側面として捉え、悩んでいる人にアドバイスしたり寄り添ったりできれば、人生の深みを知る人として周囲に一目置かれるかもしれません。

第12ハウスに「天王星」がある人【見えない世界を揺るがす革命児】

天王星第12ハウスに天王星がある人は、「見えない世界」に改革を起こそうという気持ちを持っています。

天王星は、革命・改革を表す天体。

この天体を第12ハウスにもつ人は「真実は見えていないところにある」という信念を持っていることが多いようです。

自分が起こしたい改革を「見えない方法」で成し遂げようとするかもしれません。

「集合的無意識」に突き動かされるように行動したり、改革のため秘密裏に行動していたりという傾向がありそうです。

また、自分のアイデンティティーを表立って表現することが苦手で、隠したがることも。

内に秘め押し殺してしまうと、ストレスにもなってしまいます。

独特の感性が持ち味なのですから、臆することなく周囲に表現することで社会から認められていくでしょう。

第12ハウスに「海王星」がある人【スピリチュアルに生きる人】

海王星第12ハウスに海王星がある人は、霊的能力や感性の鋭さを発揮するでしょう。

神秘・サイキックといった特質をもつ海王星は、第12ハウスの支配星でもあります。

スピリチュアルな世界からのメッセージをスムーズに受け取るには、無意識の状態がいいかもしれません。

眠っている間に見る夢からヒントをもらうこともありそうです。

生き生きとその力を発揮しますが、時には過敏になりすぎることも。

心の安定を得るには、才能であるスピリチュアルな能力を活かして人を助けたり、ボランティア活動で多くの人に分け隔てなく接する機会をもつといいでしょう。

秘密めいたものや浮世離れしたものに携わることも多く、周囲に誤解を与えないよう、調和を意識することが必要です。

時には現実をきちんと見据える視点も大切であることを忘れないようにしてください。

健全なスピリチュアリティとは?を常に意識するといいかもしれません。

第12ハウスに「冥王星」がある人【再生を繰り返す人】

冥王星第12ハウスに冥王星がある人は、霊感やサイキック能力を強く発揮するでしょう。

周囲から「あの人は勘が鋭い」と思われそうです。

隠された真実や裏の世界がなぜかわかってしまい、望む望まないにかかわらず目立つ存在になる人も。

裏がわかることを「本質を見向く力」と捉え、ポジティブに使うよう心がけるといいでしょう。

冥王星の破壊・再生の特徴が、第12ハウスの「見えない世界」の無意識領域で発揮されるとき、根本からの変容をもたらします。

すべてがガラリと入れ替わるような、これまでの仕組みを覆すような変容です。

この天体を第12ハウスに持つ人は、個人的なレベルでもこの変容を経験することも。

究極というキーワードも冥王星にはあるので、精神世界をとことん突き詰め、自分自身をガラリと変容させていく人もいそうです。

変容には破壊と再生が同時に起こります。

新しい家を建てるには、今の家を取り壊し更地にしてから建てていくように、壊れることは新しい始まりでもあります。

冥王星は、壊れるという限界をエネルギーに変えていく天体。

そのエネルギーがあるから、新しい再生があるのです。

第12ハウスに天体(星)がない人【シンプル・イズ・ベストな人】

第12ハウスに天体(星)がない人は、隠され閉じ込められているものはないということ。

つまり、意識と潜在意識のズレが少ないとも言えそうです。

思いや意識の構造がシンプルでスムーズ。内面に矛盾やストレスを抱えにくいようです。

「第12ハウスから受ける影響がまったくない」ということではありません。

天体(星)がなくても、カスプのサインから影響を読み解くことができます。

 

【まとめ】自分の中で閉ざされている力を知る

第12ハウスの特徴と、天体が在室した場合を詳しくお伝えしてきました。

「見えない世界」に潜り込んでいる天体の存在を知り、それぞれの特徴を知ることは、見えない力にスイッチを入れることです。

第12ハウスが司る「見えない世界」は、無意識・潜在意識の領域だと説明しました。

意識できていることは氷山の一角であり、その下に広がるのは無意識の世界。

意識を支えているのが無意識・潜在意識です。

意識と無意識の連携が取れていないと、行動が取りづらかったり、内面の葛藤やストレスを抱えてしまうことになります。

 

でも無意識なのだから、自覚するのは難しいですね。

無意識にある力を、天体(星)がホロスコープから教えてくれていると想像してみましょう。

「見えない世界」で閉ざされていた力が、さらに自分らしく才能を発揮するよう頼もしくサポートしてくれるはずですよ。