紙とペンで進める自己対話が効果的。「不安だらけの自分」から「理想の自分」に変わる最強4ステップ

不安」とは、私たちがもつ危機管理能力のことです。ジャングルのなかでは、「どんな猛獣に襲われるかわからない」と不安になって用心するからこそ、自分を守ることができます。ただ、不安が多すぎるのは、精神衛生上いいことではありません。

「不安だらけの『今の自分』を変えるには、『理想の自分』をうまく使うべき」です。

自分の望みを活かして、「理想の自分」を描く

みなさんが抱えている不安を思い浮かべてみてください。「資格試験に合格したいけれど、不合格になるかもしれない」「コミュニケーション能力を高めたいけれど、昔から人付き合いが苦手だし……」といったように、どんな不安の裏にも、なんらかの「望み」が存在します。いわば、望みがあることが、不安を感じるための条件だと言えるのです。

そこで、その望みをうまく使って、不安を解消するとともに「理想の自分」に近づいていきましょう。まずは、理想の自分を認識しなければなりません。それこそ、みなさんの望みが役に立ちます。

具体的には、初めに「自分の変えたいところ」を、3つ紙に書き出してください。たとえば、「お酒を飲みすぎてしまうところ」「些細なことで同僚と衝突してしまうところ」「重要な場面で決断できないところ」といった感じです。

それができたら、その3つを改善したらどうなるかについても、紙に書いてみましょう。先の例なら、「お酒はほどほどに楽しむ」「同僚とはおおらかに接する」「重要な場面では腹を決めて決断する」といった具合です。

そのように実際の「行動」として書き、もしそうできたらどんな気分になるのかもあわせて書いてみるとより効果的。「私はこういう人間を目指していたんだ」と感じやすくなり、理想の自分をしっかり描くことができます。

今の自分のメンターとして、理想の自分に伴走してもらう

そうして理想の自分を思い浮かべたら、理想の自分と今の自分のあいだで、対話をしていきます。それが、不安だらけの今の自分を変えて、理想の自分に近づくための方法です。

ここでは、今の自分のメンターとして、理想の自分が伴走してくれているイメージをもってください。マラソンランナーである今の自分に、理想の自分がコーチとして伴走しながら、「大丈夫、おまえならきっとできるぞ!」と声をかけてくれているようなイメージです。

そして、赤ペンと青ペンなど2色のペンを用意して、理想の自分の言葉を赤ペンで書く、今の自分の言葉を青ペンで書くというふうに、分けて使ってください。そうすることで、自己対話をしやすくなります。

このあとは、4つのステップで対話を進めていきましょう。具体的には、次の4つです。

【自己対話の4ステップ】

  1. 不安から安心
  2. 安心から自信
  3. 自信から勇気
  4. 勇気から覚悟

これらのステップを通じて不安を覚悟へと変え、理想の自分に近づくことを目指します。スペースに限りがありますから、ここでは概要だけをお伝えしましょう。

まずは、「1. 不安から安心へ」というステップです。不安を安心に変えるには、「今、自分は不安になっているんだ」と理想の自分に共感してもらう必要があります。理想の自分が理解者となってくれることで、不安が安心に変わるのです。そこで、理想の自分に、「頑張りきれず、そのために自分を責めていることは何?」と聞いてもらいましょう。その質問文を、赤字で紙に書きます。

次に、その問いかけに対する答えを、今の自分の言葉として青字で紙に書きます。答えているあいだ、「悔しかった」「悲しかった」という当時の感情も出てきたら、それも書いてください。その言葉に対して、理想の自分が「悔しかったんだね」「悲しかったんだね」と共感すると、不安は安心へと変わっていきます。以後のステップも同様に、2色のペンで書き分けていきましょう。

理想の自分に共感してもらい、不安を安心へ変える仲間を得よう

続いて、「2. 安心から自信へ」のステップに進みます。安心を自信に変えるには、「拠り所」が必要です。信頼できる仲間を作りましょう。その為により多くの出会いが必要になります。理想の自分は「100%満足できる結果は得られなかったけれど、頑張りきったことは何?」と自分や周りに聞きます。

その問いかけへの答えに対して、理想の自分や周りの仲間は「そのときは何を大切にしていたのですか?」とさらに問いかけます。すると、答えのなかにいくつかの自分の「価値観」が見えてくるでしょう。たとえば「チームには絶対に迷惑をかけたくなかったから、仲間を大切にしていた」といった答えだったとしたら、「仲間」とか「調和」「信頼」といったことが価値観です。

自分のなかの価値観は、時代、社会、相手などによって変わるものではありません。だからこそ、自分にとって揺るぎない拠り所となり、安心を自信へと変えていくことができるのです。

次のステップは、「3. 自信から勇気へ」です。人が勇気を感じるときは、どういうときだと思いますか? 意外に思う人もいるかもしれませんが、「自分の考え方を変えることができたとき」もそのひとつです。

このステップでは、理想の自分から「困難な状況を乗り越えて成果を挙げられたことは何?」と聞いてもらいましょう。「困難な状況」が前提ですから、それまでのやり方では通用しないといった問題に直面したはずです。すると、「今までのように自分ひとりでやるのではなく、人を頼ろう」のように、それまでの自分の考え方を変えることもあったでしょう。

それは、自分の考え方を壊してまで困難を乗り越えて成果を挙げたということを意味します。そして、たとえ考え方は壊したとしても、自分そのものは壊れていません。むしろ、成果を挙げたことでそのあとに飛躍したかもしれない。その事実を認識すると、勇気がどんどん湧いてくるのです。

自分だけの強力な「武器とエネルギー」を認識し、覚悟する

最後のステップは、「4. 勇気から覚悟へ」です。このステップでは、まずは自分が大切にしている価値観を、理想の自分から聞いてもらいます。価値観についてはステップ2でも見てきましたが、ここであらためて考えてください。

具体的には、「これまでのステップでのあなたの答えを思い起こし、次のワードのなかから、あなたが大切にしている価値観を直感で10個選んでください」というのが、理想の自分からの問いかけです。以下に「次のワード」を記します。

探求/冒険/主人公/空間/関わり/本質/流れ/受容/自由/創造/魅了/調和/連動/安心/研鑽/向上心/前進/素直/躍動/支配/紡ぐ/広がり/進化/発展/驚き/未知/公平さ/つながり/包み込む/勇気/挑戦/競争/スムーズさ/献身/癒やし/一体感/信頼/思いやり/おおらか/上質/誠実/ユーモア/オリジナリティー/個性/ユニーク/成長/変化/進化/革新/利益/バランス/シンプル/潤い/美しさ/華やかさ/コントロール/権力/把握/安全/伝統/正確/緻密/丁寧/驚き/大胆/自立/自律/自発/躍動/表現/賢さ/叡智/自己表現

もちろん、ここにない言葉でもかまいません。そして、「そのなかから特に大切にしたい価値観を3つ選んでください」と理想の自分に問いかけてもらいましょう。そうして選んだ3つの価値観こそが、あなたの行動を生むエネルギーです。

「探究心」が自分の価値観だと自覚している人なら、営業をするときも「お客さんってどんなことを考えているのかな?」と思いますし、「安心感」が価値観の人なら、「どうしたらこのお客さんを安心させられるかな?」と思い、それぞれの行動を生んでくれます。

続いて、理想の自分から「あなたの人生を通して磨かれてきたあなたの『強み』を3つ挙げてください」と問いかけてもらいます。その強みとは、多くは「うっかり身についたもの」です。

私のことを具体例に挙げましょう。私の場合、探究心が強いために、いろいろなことに興味をもってその世界に飛び込んでは、たくさんの失敗を重ねてきました。そのなかで、自分が知らない新しい世界にもためらいなく「飛び込む力」という強みを手に入れました。

これは、最初から手に入れようとしてそうしたものではありません。まさにうっかり身についたものですが、身につけてしまえばこっちのものです。誰にも奪えるものではありません。この強みが、人生において強力な武器となってくれます。

そうして、勇気は覚悟に変わります。私が言う「覚悟」とは、「できようができまいがすべての結果を受け入れられる」状態のこと。自分の行動を生むエネルギーである価値観と、強力な武器である自分の強みを認識できたことで、不安を払拭して、何があっても前に進み続けられるようになるのです。

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