中医学の土台にある陰陽五行の五つの色に、普段なんとなく無意識に選んでいる色を当てはめてみると、ご自身のエネルギーカラーや、ご自身の生まれ持った体質が見えてくるかもしれません。
陰陽五行の5つのエレメントと色の性質とは?
陰陽五行の、陰陽は太陽と月、男性と女性、昼と夜……この世は全て、陰と陽、真逆の性質のものが、同時に存在し、バランスを取り合い変化しながら成り立っているという1番根っこにあるシンプルな概念です。
わたし達人間の心と身体も、陰陽のバランスが崩れる事、例えば動きすぎたり(陽)動かなすぎたり(陰)と陰陽のバランスが崩れる事でさまざまな不調が現れると考えられています。
陰陽五行の5つのエレメントである木火土金水は、陰陽を、さらに自然界を構成する5つの元素に分類したものそれを人間の五臓に当てはめたものが肝心脾肺人の五臓になります。
五行には2つの関係性があって下の図のまわりを巡っている赤い矢印は、相生関係:親子のように巡り補っていく、という性質があり、真ん中に点線になっている矢印は相剋関係:矢印の先のエレメントが過剰になりすぎた時に刺激を与えて適度に抑えつける
という性質があります。そしてこの2つの関係性をもとに、過剰になっているときは引いたり不足している時には補ったりする事で五臓のバランス、心と身体の不調を改善し整えていく事が出来るのです。
陰陽五行では、人間の身体は五臓、そこから五華、五主、五色 など細かく分類されていて、五臓を季節に置き換えると肝=春、心=夏、脾=長夏、肺=秋、腎=冬となります。人間の身体は、夏は暑ければ火照りやすく、冬は寒ければ冷えやすいというように自然界と同じように性質が変わります。なので季節ごとに性質に寄り添った養生法があります。
また、五色にあたる5つの色は、鯉のぼりや、七夕の短冊、相撲の土俵、風水やカラーセラピーの起源ともなっていて、ふと目を向けると現代の生活の中でもいたるところで古代から伝わる五行の思想が息づいていて、五色は、五臓を守る色とも考えられています。
図をみるとわかるように、五臓に色を当てはめた場合、
木=肝=青
火=心=赤
土=脾=黄
金=肺=白
水=腎=黒
と、なります。
五色それぞれの、色の性質を見ていきましょう。
「青」
青は五行において「木」、五臓は「肝」季節としては「春」にあたります。眠っていた動物は目を覚まし、、冬の間に土の中に眠っていた種が芽吹きはじめます。”青春”という言葉があるように、青々と生い茂る自然界の色を表しています。青の部分は緑が使われることもあります。気持ちを落ち着かせたり、集中力を高めたりする効果があります。
「赤」
赤は五行において「火」、五臓は「心」季節としては「夏」にあたります。まさに情熱的な炎の色。成長した植物からは鮮やかな花が咲き、一年の中で一番陽の気が旺盛になる時期。赤はトキメキ、ドキドキの色。赤い服を着るとなんとなく気分が高揚しませんか?交感神経に刺激を与え体温•血圧•脈をあげるエネルギーがあるので体が冷えやすい方は赤色の下着を身につけて、冷え改善。開運にも良いと言われています。
「黄」
黄色は五行において「土」、五臓は「脾」季節としては「長夏」「季節の変わり目」夏の終わりの湿気の多い時期にあたります。黄色い服を着ていると、なんとなく生き生きと華やいで見えます。黄色は気持ちが明るく見える。気分が重たい時に黄色の服を着たりすると気が充満して、気分が軽やかに。気分が滅入るとか気力が湧かないという時に、黄色を色彩として服に取り入れると、行動力を引き出すことができたりします。
「白」
白は五行において「金」、五臓は「肺」季節としては「秋」にあたります。季節は陽から陰へと変化していきます。賑やかな夏から秋の静けさ。白は、潔癖さとか清らかさ、清潔、純粋さ、清楚、純潔。白が持つもう一つの意味合いは白紙に戻す、リセット。雑菌の繁殖を許さない。菌に対する抗菌とか殺菌の力が最も高いのが白の持つカラーのエネルギーです。
「黒」
黒は五行において「水」、五臓は「腎」季節としては「冬」にあたります。冬は老化の進みやすい季節。黒は老化、シミやそばかすなどの老化や停滞の色。暗闇に行くと怖くないですか?先が見えない。真っ暗闇。恐怖の色でもあります。また身体を冷やす作用があるので、お腹が冷えが気になる方は黒い下着は避けるようにするといいかもしれません。力を象徴し、力強さ、エレガントな高級感といった印象を与える色です。
好きな色から見える「エネルギーカラー」や「体質」
筆者は41歳、6月生まれです。この数年は白と赤の服を多く好みます。たまに黄色も着たくなります。昔から原色より色物は淡い色や、くすんだ色を選ぶ傾向があって、黒の服は重い感じがして昔から苦手で、青や緑はほとんど着ません。
五行から紐解いていくと、6月は夏、心のエレメント。疲れると精神が気持ちが高ぶりやすい、動悸がするといった症状が出やすいです。心の五色は赤なので赤い服を着ると元気になりますが、年齢的にはプレ更年期を迎えつつあり、身体の内側が少しずつ潤い不足になることでこの数年は乾燥や菌から肺を守る白い服やアイテムばかり選ぶようになりました。心の相剋関係にあたり、心を抑制する腎の黒色が重く感じるのも腑に落ちます。
コロナ禍で世の中全体が自粛傾向の為、この数年は、季節を問わず街を歩いている人を観察してみると、夏でも気分が高揚するようなビビットな原色は少なく、肺を守るために上半身は白色のトップス、色物も、落ち着いた色の服を着用している方が多い傾向があるのではないかと思います。
いかがでしょうか? クローゼットや自宅のインテリアの色をみていくと、自分の五臓タイプやエネルギーカラーを無意識に選んでいるかも。気になる色や今の自分に必要だなと思う色があれば、小物から取り入れてみたりすると気分転換になりますし、今まで気づかなかった新しい自分の性質の理解へと繋がるかもしれません。是非、参考にして取り入れてみてくださいね。