腸腰筋の鍛え方・使い方|美尻を作るカギ!理学療法士に聞いた「腸腰筋を使う2ステップ」

姿勢保持やポーズ上達においても重要かつ不可欠な筋肉が「腸腰筋」。正しく動かして、美しいヒップラインをつくりましょう。

「美尻をつくる筋肉」と言われて真っ先に思い浮かべるのは、大臀筋のようないわゆる「お尻の筋肉」ではないでしょうか。でも、意外なことにキーマッスルはほかにありました。それが「腸腰筋」です。腸腰筋は背骨と脚の骨をつないでいる筋肉で、主に上体を曲げたり腿を上げたりする動作で使われます。上半身と下半身をつないでいる筋肉なので、「姿勢」にも大きく関与します。

腸腰筋とは何か

 

大腰筋と腸骨筋から成る筋肉群「腸腰筋」を理解しよう

腸腰筋は背骨、骨盤、大腿骨をつなぐ筋肉で、大腰筋と腸骨筋から構成されています。股関節の屈曲、脊柱の前屈、姿勢の保持に使われます。腸腰筋とセットで動く筋肉として「恥骨筋」も覚えておきましょう。

腸腰筋

では、なぜこの筋肉が美尻のカギになるのでしょう。「それは、腸腰筋が腰椎の前弯をつくる筋肉だから。腰椎とは腰の部分の背骨のことで、正常な状態ではやや前弯しています。これこそが美しいヒップラインの正体。腸腰筋は腰椎に付着しているので、腸腰筋がゆるむと腰椎の前弯が崩れてしまいます。腰が丸まってお尻が垂れた状態は、まさに腸腰筋が使えていないからです」(中村先生)

STEP1:腸腰筋の使い方を理解しよう

腸腰筋が働くと、腰椎が前弯してヒップアップ!

腸腰筋の使い方

腸腰筋がしっかり使えて筋肉が収縮していると、骨盤が起きてお尻の位置もキュッとアップ。背骨もS字ラインをキープでき、お腹もすっきり引き締まって美しい姿勢が保たれます。

腸腰筋を使えないと、腰椎が丸まりタレ尻に

腸腰筋の使い方

腸腰筋がうまく使えないと、左の図のように骨盤が後傾してお腹が出っぱり、お尻も下垂してしまいます。また、O脚や猫背、膝関節炎などの原因にもなるので注意が必要。

POINT
①そけい部を引き込むこと。こうすると腸腰筋が反応しやすくなります。
②表層筋の力を抜くこと。腸腰筋の動きを抑制してしまうお尻や太腿の筋肉はできるだけ力を抜きましょう。

STEP2:腸腰筋が使えているかチェックしよう

まずは長座「杖のポーズ」でチェック!

腸腰筋の使い方

そけい部を引き込むと腸腰筋が動き出します。「両脚を伸ばして座り、かかとを前に押し出します。そけい部は、お尻に向かって引き込む意識を持ちましょう。そけい部を引き込むことで腸腰筋が使われ、腰椎が正常な角度で前弯します。また、背骨を頭頂に向かって伸ばすと、腸腰筋が引き上がるため意識しやすくなります。姿勢保持筋である腸腰筋がきちんと働くことでポーズが保ちやすくなり、腹筋や太腿の筋肉で頑張らなくても楽に長座姿勢が続けられ、お尻も上向きに」

Before
腸腰筋が使えていないので、背骨全体が丸まり、お尻が下がっている。

腸腰筋の使い方

After
腸腰筋を使うと、腰椎が前弯して美しいヒップラインがつくられる。

腸腰筋の使い方

次に寝転んで「コブラのポーズ」でチェック!

腸腰筋の使い方

大臀筋の力が抜けると腸腰筋が動き出す。「手のひらで床を押して上体を持ち上げるとき、お尻に力を入れて腰から反ろうとしがちでは? ここがポイント。大臀筋に力が入っていると腸腰筋の動きが抑制されてしまいます。後屈しにくいだけでなく、腰に負担がかかるので注意しましょう。お尻の筋肉はリラックス。意識は腸腰筋のあるそけい部へ。そして頭頂と足を伸ばし、胸から柔らかく後屈してみて。じんわり体の深部が温まってきたら、うまく使えている証拠です」

Before
お尻に力を入れて反ろうとしているので、腰に負担がかかる。お尻もぺたんこに。

腸腰筋の使い方

After
お尻の力を抜くと腸腰筋が使われて腰椎が自然に前弯する。お尻も丸く、柔らかに。

腸腰筋の使い方

 

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