結果に繋がりにくい勉強法と繋がる勉強法

「いろいろな勉強法を試す」ばかりでは、楽しいだけで結果は出ない

記憶に定着するノート術、効率的な読書術——少し調べれば、さまざまな勉強法を知ることができますよね。「学び方を学ぶ」こと自体を楽しんでいる人は少なくないようです。多種多様な勉強法を学ぶのが好きな人たちを「勉強法ホッパー」と呼んでいます。“ホッパー(hopper)” の意味は、「飛び回る人」。さまざまな勉強法を試し、渡り歩くイメージでしょうか。

しかし、勉強法は使ってこそ価値があるものだから。勉強法を知ったり試したりするのが楽しくても、自分のものにして結果を出さなければ、結局のところ楽しんだだけに留まってしまうのです。さらに、学習方法が学業成績に影響を与える科学的な証拠は存在しないと言われています。

 

そこで「最初の1割」を勉強法を模索する試行錯誤の期間とすることをおすすめします。仮に試験日が1年後だとすれば、最初の約1か月で、少しずつ勉強法を変えながら自分に合った学び方を探すのです。

加えて、「いまやっている勉強法では、どの程度知識が身についたか」と振り返る癖をつけることも重要です。「その勉強法は、本当に自分に最適か?」と客観的に考えるためです。

たとえば、勉強した日ごとに、「勉強法」と「どの程度理解できたか」をセットで記録してみるのはいかがでしょうか。可視化すれば後日振り返ることもしやすくなります。”自分の武器” にできそうな勉強法を見つけるのに役立つはずですよ。

「楽しい」けれど「結果につながりにくい」勉強法03

 

「周辺知識」ばかりの勉強では、楽しいだけで結果は出ない

資格試験に向けた勉強自体は、楽しく継続できている。けれど、模試の成績が芳しくなく、このままじゃ合格できるか不安だ――こんなふうに悩んでいるのだとしたら、難しい知識ばかりに関心が行き、基本知識を押さえられていない可能性も。

長く試験勉強をしている人には ”知識のドーナツ化” が起きがちだと指摘しています。知識のドーナツ化とは、難解で細かい周辺知識にばかり関心が向かい、肝心の中心部分である基本知識がおろそかになってしまう状態のこと。

たとえば、経済学を勉強しているが、難しい経済用語に気をとられてばかりで、じつは基本的な経済活動の仕組みを押さえられていない……といったように、基礎が抜け落ちている状態を指します。

細かくてレベルの高い周辺知識を勉強することはおもしろく、「こんな知識を自分は知っているんだ!」という満足感を得やすいもの。対して基本知識は、シンプルで何度も出てくるので「もうこれはわかっている」と “わかったつもり”に陥りやすいです。そのためにも、テキストを読む前から過去問に取り組み、毎年共通して出題される基本知識をしっかりと潰すことが重要です。

そのほかにも、基本知識の ”わかったつもり” を回避できる方法があります。

  • 白紙の一番上に、理解したいテーマを書く
  • 白紙の残りのスペースに、テーマに関する説明を「人に教えるように」紙に書く
  • うまく書き出せなかった場合、テキストを見るなどして答えを書き出す

「人に説明してあげる」つもりで書き出すのが、この手法のポイント。「説明できない=書き出せない」のであれば、「あぁ、自分は理解できていないんだな」ということに気づけます。だから「わかったつもり」の落とし穴にはまることを回避できるのです。

周辺知識のインプットが楽しくなり始めたときは、一度基本に立ち返り、自分がそれを説明できるか、試してみるといいかもしれません。

「楽しい」けれど「結果につながりにくい」勉強法04

「聞く」ばかりの勉強では、楽しいだけで結果は出ない

動画やポッドキャストなど、耳から学ぶ勉強は楽しく続けられる方法のひとつです。しかし、「聞く勉強」ばかりしても結果を出しにくいよう。

「聞く勉強」には注意が必要です。なぜなら、「聞く」行為は、「読む」「書く」「話す」ことよりも比較的楽なため、そればかりしてしまうケースが起こりうるから。

加えて、「聞く勉強」は「読む勉強」よりも勉強効率が上がりにくいとのこと。本を読む場合、読み飛ばすことも、あとで読み返すことも可能ですが、聞く勉強は基本的にそのどちらも不可能。知りたい項目だけをインプットすることができない、という点で非効率的なのです。

勉強の効率を大きく引き上げるには、「読む」「聞く」というインプットと、「書く」「話す」というアウトプットの精度をともに上げることが重要です。そもそも勉強とは、インプットした知識をアウトプットして初めて成立するものだからです。

ではどうすれば、インプットとアウトプット両方の精度を上げることができるのでしょう。ここでおすすめの方法が「要約」です。

知識を効率よく吸収したいなら、そのまま覚えるのではなく、「要するにどういうことか」と圧縮したうえで覚える必要があると述べます。人間の脳の特性上、学習内容を一字一句すべて覚えることはできないからです。実際、物覚えのいい「頭のいい人」たちは、この方式で記憶しているのだとか。

たとえば、動画で講義を楽しく視聴したのであれば、そのあとに内容を要約して、紙にまとめてみてはいかがでしょうか。聞く勉強に「要約」という作業を加えるだけで、インプット・アウトプット双方の質が高まりますよ。

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