BCAA(分岐鎖アミノ酸)とは、バリン、ロイシン、イソロイシンという3つのアミノ酸の総称。これら3つのアミノ酸は、体内で作ることができず、食品やサプリメントから摂取する必要があるため「必須アミノ酸」と呼ばれています。
アミノ酸はタンパク質の構成要素であり、体が筋肉を作ったり、筋肉の損傷を修復したり、免疫機能を調整するのに役立つのだとか。 「分岐鎖アミノ酸の“分岐”とは、アミノ酸の分子構造を表しており、これが体内での消化、吸収、使われ方に影響を与えます」と語るのは、栄養士で「Academy of Nutrition and Dietetics」の広報担当でもあるメリッサ・マジュンダル氏。 「BCAAは、エネルギー源としての役割を果たすことによって、ランニング中の筋タンパク質の分解を遅らせることができます。また、新しい筋肉の構築にも役立ちます」 この「BCAA」を、食べ物から効果的に摂取する方法を、<ランナーズ・ワールド>からお届け。栄養士たちのアドバイスを、ぜひ参考にしてみて!
BCAAを摂取できる食べもの
サプリメントに頼らずBCAAを摂取する方法として、まずは以下のホールフードを採り入れることから始めましょう。バリン、ロイシン、イソロイシン、3つの必須アミノ酸が全て含まれているため、食事とワークアウト後のリカバリーに欠かせない存在です。
ピーナッツ
ピーナッツは、実際にはナッツではなくマメ科の植物と考えられており、こちらもBCAAを含む食材。そのままはもちろん、ピーナッツバターやピーナッツパウダーなど、様々な形態で販売されています。どのようなタイプを選ぶにしても、原材料をよく見て、ピーナッツと塩以外の余分な添加物が入っていないことを確認しましょう。
卵
Lサイズの卵には、1個あたり6グラムのタンパク質とBCAAが含まれているので、ワークアウト後のリカバリー食として手軽に活用できます。また、ビタミンDの数少ない供給源の1つであり、目の健康を促進することで知られるルテインとゼアキサンチンという2つの抗酸化物質も含まれています。ランニング後に、フリッタータやスクランブルエッグにして食欲を満たしましょう。
マグロ
オメガ3脂肪酸やタンパク質を豊富に含む、脂肪分の多い魚であるマグロも、BCAAの優れた供給源。マグロを調理するのが面倒な場合は、ツナ缶をストックしておくと◎。ランニング後の手頃なタンパク源として利用できます。
牛乳
ランニング後のチョコレートミルクは、炭水化物とタンパク質の比率が3:1で、BCAAも含まれているため、体力の回復に役立ちます。さらに、牛乳は9種類の必須アミノ酸の他、骨を守るカルシウムも含んでいます。牛乳をそのまま飲むのが苦手な人は、スムージーに足したり、ランニング後のオートミールに加えてみましょう。
鶏肉
七面鳥も鶏肉もBCAAを含み、脂肪分も少ないため、筋肉の修復に適したタンパク質の供給源。わずか3オンス(約85グラム)の鶏肉で、およそ20グラムのタンパク質を摂取することができます。どちらも多くの料理に使える、万能な食材です。