背骨をしなやかに動かすことは、ヨガのポーズをスムーズに行うことや、良い姿勢を保つことなど様々なメリットがあります。今日は背骨についてのお話です。
不調の改善に「背骨」が重要な理由
あらゆる体の動きは背骨を中心に起きます。骨や筋肉の配列をアライメントと言い、ヨガではアライメントを正しく取り、体に余計な負担をかけず動くことを目指します。背骨の正しいアライメントは、自然なS字カーブです。このカーブが上体の重さを支え、直立二足歩行で大きく発達した脳を、衝撃から守ります。ですが、デスクワークや家事で長時間前かがみの姿勢がくせになっていると、背骨に負担がかかり、本来あるべき自然なS字カーブが保てなくなります。その負担は、背骨と繋がる骨盤や頭蓋骨、骨の周りの筋肉へも伝わってしまいます。これらを放置すると、肩こりや腰痛などの不調の悪化にも繋がります。
背骨を自然に伸ばすには、土台となる骨盤を立てるのが大切です。そして背骨と骨盤をつないで、安定させるのが体幹と言われるインナーマッスルです。この深層筋群は、呼吸で使う筋肉ともかぶっているため、深い呼吸で鍛えられ、背骨はさらに安定します。また、骨盤内には生殖器など重要な臓器があるので、骨盤を立てた圧迫のない状態は健康面でも大切です。また、背骨の周りには自律神経が通っています。背骨の不具合は自律神経の乱れにも繋がり、内臓の働きや体温調節など自力ではコントロールできない部分の不調の原因にもなりかねません。また、ヨガでは背骨は、生命エネルギーと言われるプラーナ(気)が通る管(ナーディー)であり、「チャクラ」も主要なものは背骨のまわりに位置しています。
このように、正しい姿勢、背骨を正常に保つことは、見た目だけではなくとても大切です。では、実際に背骨まわりを整えるヨガのポーズを行なってみましょう!
背骨周りを整えるヨガポーズ
「キャット&カウ」
ヨガを始める前のウォームアップにも最適なポーズです。 普段あまり動かさない背中を猫のように丸めたり、牛のように反らせたりすることで、背中のコリをほぐすことができます。
①よつんばいになり、手は肩幅、脚は腰幅に開き足先を立てます。肩の真下に手首、脚の付け根の真下に膝がくるようにします。吸いながら腰を緩め、胸を開き、喉を伸ばし目線斜め上を見上げます。
②吐く息で背中を丸め、目線はおへそを覗き込みます。①と②の動きを滑らかに繰り返します。1分目安に行いましょう。
「糸通しのポーズ」
体をひねることで背骨の歪みを整えるポーズ。肩甲骨を大きく開くので肩こり解消にも効果的です。
・よつんばいになり、左手を右の脇の下から潜らせ、深く差し込みます。
・吸いながら右手を持ち上げ、その手を外側へ開きます。
・その手を体に絡め、深い呼吸で30秒から1分キープします。反対側も行いましょう。
「あおむけでねじるポーズ」
背骨をねじり、姿勢改善や腰痛の緩和、便秘解消も期待できます。
・仰向けから右膝を抱え、吐きながら膝を左側の床に倒します。右手を真横に伸ばし、顔も右手側へ向けます。手のひらは天井向きにします。1分を目安にキープし、反対側も行いましょう。
「バナナのポーズ」
自然と胸が開いて呼吸が深まり、神経が落ち着くリラックス効果の高いポーズ。縮こまりがちな体側を伸ばすことで、内臓機能を高めます。体を曲げるとき、骨盤がねじれないよう注意しましょう。
・仰向けから右足を右一歩外側に出します。
・その足に左足を重ねて乗せます。
・右手を斜め上に上げ、左手を右手まで運び、右手で左の手首を掴みます。手首を引っ張りながら1分キープします。反対側も行いましょう。
いかがでしたか?背骨まわりをしっかりと整え、心と体も元気に過ごしましょう!