体幹強化のためのトレーニングと聞くと「プランク」や腹筋運動が思い浮かぶかもしれませんが、その他にも体幹を強化できるヨガポーズがあります。よくある誤解を解消して体幹力をアップさせてみましょう。それぞれのポーズで気をつけたいポイントもわかりやすく説明します。
体幹は体のどの部分?
体幹を鍛えると聞くと「腹筋部分」や俗にいう「シックスパック」を思い浮かべるかもしれませんが、体幹は腕と脚、首から上の部分以外の場所、つまり胴体部分をさします。体幹トレーニングでおなじみのプランクのポーズでは腹筋に意識が集中するかもしれませんが、実際には腹筋だけではなく、胸も含めた前面、そして背筋やお尻など体の後面も含めた部分も働かせています。
そしてプランク以外にも体幹を鍛えられるヨガポーズがあります。色々なポーズにトライしてみましょう。
体幹力アップにおすすめのヨガポーズ
バッタのポーズ(シャラバーサナ)
背筋を強化するポーズです。
やり方:
1. うつぶせになっておでこを床につけ、腕は胴体の横に。足は腰幅くらいに開く。
2. 息を吸って、胸、腕、脚を持ち上げる。指先とつま先を後ろにしっかり伸ばす。
3. 目線は床の少し前方へ。首の後ろの長さを感じ、顎が上がりすぎないように注意。
4. 3-5呼吸ほどホールドし、終わったら吐きながら体をおろす。
ここに気をつけて!
腰から曲げて上半身を起こそうとすると、負担がかかりすぎて腰痛のもとになってしまいます。腰を意識するのではなく、胸を引き上げて上半身全体を伸ばすことを意識してみましょう。胸や脚が高く上がらなくても、胸が開こうとしている感覚を得られれば大丈夫です。
橋のポーズ
お尻から肩まで体の後面を強化し、胸を開いてストレッチします。
やり方:
1. 仰向けになって両膝を立て、足を腰幅に開く。両腕を胴体の横に置いた時に指先がかかとにつく程度の位置に揃える。顎を引いて首を長く保つ。
2. 息を吸いながらお尻を上げて徐々に胸まで持ち上げ、吐きながらゆっくり背中を下ろしていく。
3. 吸ってお尻を上げる、吐いて下ろすを数回ゆっくりと繰り返す。
4. できそうなら最後の一回はお尻を持ち上げたまま数呼吸ホールドする。腕はそのままか、左右の肩甲骨を寄せるようにしてお尻の下で両手を組む。
5. 吐きながら(両手を組んでいたら腕を胴体の横に戻して)背中を下ろす。
ここに気をつけて!
お尻が上がるにつれて足の外側に体重がかかり、膝が外側に広がってしまうと体幹が不安定になってポーズの効果が半減してしまいます。足の外側に体重をかけた状態でお尻を上げ続けると腰に負担がかかるので注意しましょう。
戦士のポーズ3(ヴィーラバドラーサナ III)
軸脚だけに頼らず、体幹を意識することもバランス維持のポイントです。
やり方:
1. 両足を揃えて立ち(山のポーズ)、左足を後ろに踏み出して右膝を曲げ、両腕を頭上に伸ばす(ハイランジのポーズ)。
2. 右足に体重をのせながら上半身を前に倒し、左脚を足首を90度に保ったまま上げていく。骨盤を左右平行に保ち続ける。
3. 右脚でバランスを取りながら、お腹を引き入れ、背筋も意識しながら体勢をキープ。呼吸を止めないように注意。
4. 終わったら上体を起こしながら左脚をおろす。
・両腕を前に伸ばすのが難しいときは、後ろに伸ばしたり、胸の前で合掌をしてみましょう。
ここに気をつけて!
脚を高くあげようとして胴体が傾くことがあります。この状態では体幹をあまり使えていないので、脚を高く上げることよりも左右のお尻の高さをそろえて、胴体と床を水平にさせることを優先しましょう。
腹筋の1か所にとらわれず、胴体全体を使うことを意識して鍛えると、バランスよく、かつ効果的に体幹力をアップさせることができます。