アーユルヴェーダとは、5000年以上の歴史を持つ世界最古の医学です。現代においても病気の治療・予防・健康増進法として使われており、欧米では自然療法・代替療法として人気があります。そんなアーユルヴェーダのアイデアを取り入れたスイーツはどのようなものでしょうか? そもそもアーユルヴェーダではスイーツをどのように捉えているのでしょうか?
1、甘味は体に力を与え、心を喜ばせるもの
アーユルヴェーダでは、生命を「肉体」「精神」「感覚器官」「魂」の4つから成り立つと考え、「人の健康は、肉体だけをケアしても不十分で、精神や魂も穏やかで喜びに満ちていることが健康の条件である」と考えます。
そのため、厳しい食事制限や、極端な食べ方はむしろアーユルヴェーダの考えとは反し、スイーツなども適度に楽しむのが良いと捉えます(もちろん過度な摂取はNG。心が幸福を感じていることが大切です)。
さらに、アーユルヴェーダでは「味」によって、食べ物が体に与える生理作用が異なると考えますが、甘味は体に活力を与え、精神を喜ばせる味です。山登りの時などに、甘いプロテインバーなどを休憩で食べることがありますが、甘い味はすぐにエネルギーになり、緊張を和らげほっとさせ、満足感があるからだと思います。
2、体のバランスはドーシャエネルギーで整える
もう1つ、アーユルヴェーダの治療方針の重要なことは「体の自然治癒力を引き出す」ということです。
アーユルヴェーダでは、人間は五大元素の空・風・火・水・土のエネルギーを持っていると考え、そのエネルギーは体内で3つのドーシャと呼ばれるエネルギーとして働くと考えます。
3つのドーシャはそれぞれワータ(空・風)・ピッタ(火・水)・カパ(水・土)と言い、日常の食べるものや運動や睡眠など生活の仕方で影響を受け、そのバランスが変化します。
そのため、スイーツを食べる時も、どれか1つのドーシャを悪化させないように、バランスのとれたメニューを食べることが理想的です。
カカオの美容・健康効果
今回の記事では、たまたま執筆している日がバレンタインデーであるということもあり(笑)、チョコレートを使ったヘルシースイーツをご紹介しようと思います。カカオは近年その健康効果が注目されているのを聞いたことがあるでしょうか?
・便秘改善効果
カカオに含まれるリグニンという不溶性食物繊維が便通を改善するという研究結果や、カカオに含まれるカカオプロテインが、便のかさを増やし腸内細菌の餌となって便通を改善する、という研究成果があります。
・善玉コレステロールを増やし動脈硬化を改善
血液中で悪玉コレステロールが増えると動脈硬化のリスクが高まりますが、カカオに含まれるカテキンなどのフラボノイドや、テオブロミンなどのアルカロイドは、善玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールと悪玉コレステロールの比率を改善し、動脈硬化指数を改善することがわかっています。
他にもカカオに含まれるポリフェノールが抗酸化作用を持つので、肌や髪などの老化を防いだり、脳の栄養になり認知機能を高めるという研究成果が報告されています。
もちろんカカオを取るだけで健康になるわけではありませんが、せっかくスイーツを食べるなら美味しいだけではなく、出来るだけ栄養があり、体の毒になるものが含まれていないものを食べたいですよね。市販のチョコレートは砂糖や添加物がたくさん入っていて体に悪いものも多いので、今回のレシピではカカオパウダーを使用します。
アーユルヴェーダ的に考えると、カカオは発酵食品なので、ピッタ(火)のエネルギーを増やします。そのため、冷性でピッタを鎮静する、ココナッツミルクを使いホットチョコレートを作ります。このように食材を組み合わせることで性質を中和し、体内のドーシャバランスを整えることができます。
ヘルシーアーユルヴェディックホットチョコレート
材料 マグカップ1~2杯分
ココナッツミルク 2カップ
カカオパウダー 大さじ4杯
メープルシロップ 大さじ1.5杯
シナモン 3つまみ
ナツメグ 2つまみ
作り方
鍋に材料を全て入れ、熱しながらかき混ぜます。
全て均一に混ざったら火を止めて完成です。
味見をして、甘さが足りなければメープルシロップを足します。