ダウンドッグの際におでこをグッと床に近づけていませんか?ほんのちょっと体の意識を変えるだけで安全に怪我なく行え、心地よさも一気に変わるダウンドッグをお伝えします。
ヨガの基本ポーズのひとつとして知られているダウンドッグ。四つん這いの姿勢から、膝を浮かせてお尻を高く引き上げ自身の体で「ピラミッド」を作るようなポーズです。
代表的な効果
○全身のストレッチ効果
○血流促進、代謝アップ、むくみ解消、疲労回復
○ストレス解消
○体幹強化、姿勢改善
全身をしっかり使うので一度にたくさんの効果が得られる万能ポーズとも言われています。体をストレッチしたいがために、おでこが床のほうにグッと近づけている方が多いかもしれません。しかし、無理に行ってしまうことにより肩を痛めてしまう人が多いので少し注意が必要です。
ダウンドッグの際におでこを床に近づけると、写真のように腕全体が内回転してしまいます。
なぜ肩がつらかったり、痛めてしまうのか?
肩には腕を挙上、回旋させてくれる4つのインナーマッスルの集まり(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)が存在しています。これらを合わせてローテーターカフと呼びます。おでこを床に無理やり近づけることで、ローテーターカフがその上部にある肩峰に引っかかったり擦れてしまい、その間にある肩峰下滑液包が炎症を起こします(インピンジメント症候群)。※肩峰下滑液包は棘上筋が肩峰の下をうまく滑り込めるようにクッションの働きをしています。
安全な「万能」ポーズ ダウンドッグのコツ
⇒上腕は外回転 おでこや胸を床のほうに近づけるのではなく肋骨を引き上げる
肩甲骨は動かすことで肩の関節を痛めるのを防ぐ効果があり、このとき肩は上方回旋しています。上方回旋とは高いところのものを取るときに腕を伸ばすときをイメージしてみてください。
そのため、首が詰まるからといって無理やり肩を耳から遠ざけたりしないこと。そして上腕は外回転、二の腕と二の腕を向かい合わせにするような動作です。そして手のひらで床を引き離すようにグッと押し(特に親指と人差し指の付け根)胸を床に近づけるのではなく、肋骨を少し上に引き上げ、耳の真横に二の腕がきているか確認しましょう。
分かりにくい場合は、指先を少し外側に向けてあげてみてください。
自然と上腕が外に回転し首まわりにスペースができ、首がつまる感覚がなくなるのが分かります。肩を無理やり耳から引き離す必要はなくなります。
ヨガで頑張り過ぎて無理をして身体を痛めるのではなく、ヨガを通し身体にも心にも寄り添った時間を過ごしたいですね。