第10ハウスは「社会と達成の室」と言われています。
いずれも、他者や社会と関わることなので「仕事、職業のハウス」ともされ、第10ハウスを見ればその人がどう社会と関わるかがわかります。
第10ハウスでは社会的頂点がわかる
第10ハウスでは、社会における自分の役割や立ち位置といったことがわかります。
向いている仕事や職業、社会的な成功を見るハウスです。
もう少し深く解釈すると、社会での最終的な自分の姿、社会的頂点ということにもなります。
ではなぜ、第10ハウスがそれを表すのでしょうか。
それは、ホロスコープの第10ハウスの位置を見るとわかります。
ホロスコープを上下半分に分けてみると、下半分は第1〜6ハウス、上半分は第7〜12ハウスです。
下半分は北半球、上半分は南半球と呼ばれます。
北半球の第1~6ハウスでは個人の発達や成長を、南半球の第7~12ハウスでは他者や社会との関わりを読み解くことができます。
第1~12ハウスまで、ぐるっと反時計回りに、人生の成長過程がたどれます。
北半球の土台で自分という個人を養ったあと、徐々に南半球で外の世界に出て、さまざまな人と関わりいろいろなことを経験し成長します。
そして、たどり着く社会的・公的な自分を表すステージ。
それが、ホロスコープの頂点に位置する第10ハウスです。
仕事、職業、地位といったキーワードはまさに経験を経てたどり着く、社会で達成する公的な自分です。
達成されるべき自分というのは、なにも職業だけではありません。
なにか夢中になれるもの、夢中になっている自分の姿でもあるので、趣味や所属する社会的集団というものも連想されます。
第10ハウスは、あなたが社会で、自分らしさを表現するための肩書きを教えてくれるのです。
そして、天体が第10ハウスに入っている場合は、社会でなにか目指すことや、達成すべきことを決めて生まれてきたのかも知れません。
第10ハウスに入っている天体から、社会で達成される自分のイメージをより具体的に読み解くことができます。
第10ハウスに「太陽」がある人【社会に居場所を求める】
第10ハウスに太陽がある人は、社会での居場所を作ることが人生において大切な目標となるでしょう。
占星術において太陽は色々な側面の集大成、まさに自分自身です。
「自分はここにいます!」と、誰からも一目瞭然にわかるような立場を目指します。
それこそが生き甲斐と感じられるようです。
実際に仕事に恵まれることが多いのも特徴です。
自分の道は自分で決めたいタイプで、そのためにはバイタリティー豊かに行動します。
キャリアアップのための努力は惜しまず、コツコツ地道にこなしていく側面もあるので、社会的な成功を仕事でおさめることも多いでしょう。
仕事でなくても、社会と繋がることが大切という信念があるので、ボランティア活動などに積極的に関わろうとすることもあります。
また、結婚相手の社会的成功により自分の成功願望を満たすということも。
実業家、経営者、といった組織の代表となる職業が向いています。
第10ハウスに「月」がある人【内側を満たす】
第10ハウスに月がある人は、家庭や心といった「内側」に関わる分野で評価を得て社会と繋がろうとします。
月が司るのは素の自分や心地よさといった、内なる部分。
英語ではドメスティック(domestic)、家庭とも訳されます。
家庭というキーワードに代表される、主婦(主夫)業はもちろん、保育やインテリア、家庭用雑貨などを扱う仕事も得意でしょう。
心に関することで言えば、心理カウンセラーのような「人の心に触れる」仕事も適職です。
他人から相談をよく受ける、ということが多い人もいるのではないでしょうか。
キャリアにおいては、自分の肌に合わないと感じたものからは遠ざかっていくため、転職を繰り返すこともありそうです。
社会的な評価を気にする傾向があり、自分だけでなく結婚相手やパートナーの地位や肩書きにより安心感を得るという側面も。
「ただ目立つ」というよりは、一般大衆的な人気のあることが好きなタイプです。
第10ハウスに「水星」がある人【情報収集と伝達が鍵】
第10ハウスに水星がある人は、情報収集能力や分析力といった知的な分野で活躍できるでしょう。
水星の得意分野は、情報、伝達、知性、分析です。
コミュニケーション能力の高さもこれらに由来します。
ものごとを冷静に捉え、分析し対応していく実務的な仕事で成功をおさめる傾向があります。
頭の回転の速さと要領の良さから、他者とのコミュニケーションも抜群です。
才能を活かす職業は、IT関係、情報を扱うメディア関係、出版や執筆、社交力を活かした営業職や接客業、サービス業など。
ほかの職業でも、仕事にはコミュニケーション能力や情報収集能力といった水星の力が必要です。
特に、第10ハウスに水星がある人は、この力を活かすことで、様々な職業でキャリアアップを目指せるでしょう。
また、フットワークが軽いのも特徴です。
同じことを繰り返したり、動きの少ない仕事は苦痛に感じるかもしれません。
知性とともに、素早い動きが必要とされる医療やフィットネスインストラクターなどの健康関連の仕事も向いています。
第10ハウスに「金星」がある人【好きなことが強み】
第10ハウスに金星がある人は、趣味や、美に関する分野で社会的な活躍をする可能性があるでしょう。
金星が表すのは、好きなことや美しいと感じるもの。
なにを好きと感じるか、なにを美しいと感じるか、といったとても感覚的なことを大切にする天体です。
その感覚が社会でどう達成されるのかというと、たとえば趣味が高じていつの間にか仕事になっていた、というようなことです。
それも、ワクワクしたり、惚れ惚れしたりという楽しむ要素が必要不可欠です。
第10ハウスの金星を活かして活躍している人は、「仕事をしている」という感覚が少ないのではないでしょうか。
適職としては、ファッション関係、宝飾関係、エステティシャンやカルチャーセンター講師など。
周囲からの恩恵や寵愛を受けることが多く、社会的な成功に有利なこともあるでしょう。
自分の魅力を活かす芸能関係やタレントといった職種も向いています。
広告塔的な存在になる人も。
また、いわゆる玉の輿のような結婚に縁があるのも第10ハウスに金星がある人の特徴です。
第10ハウスに「火星」がある人【戦いがモチベーション】
第10ハウスに火星がある人は、競争することを通じて社会的な成功や評価を得ようとする傾向があります。
火星は、自分の信念のためには戦うことを恐れない野心的で好戦的な天体です。
社会においては、自らの力で切り拓こうとしたり、他者より有能であることを証明しようとします。
能力を評価されることに喜びを感じやすいでしょう。
自分の腕一本でやっていけるような仕事を選ぶと、火星の力が生き生きと発揮されます。
フリーランスのフォトグラファー、政治家、格闘家、スポーツ選手といった専門的分野が向いているでしょう。
また、歩合制や能力給など結果主義・能力主義を積極的に取り入れている企業や組織で活躍することも。
不屈の精神で独立心も強く頼もしい存在ですが、ライバルや上司に対して攻撃的になり過ぎてしまわないように気をつけましょう。
第10ハウスに「木星」がある人【立身出世!幸運な成功者】
第10ハウスに木星がある人は、周囲のサポートや恩恵を受けながらどんどん成長し、社会的地位を築いていきます。
まさに立身出世という言葉通り、社会的な成功が金銭面など物質的な成功と直結しやすいタイプです。
木星のキーワードは、拡大と発展、そして幸運です。
自分でゼロから何かを起こすというよりは、すでにある基盤の上でさらなる発展や拡大を目指していくことを得意とし、社会的な成功をおさめやすいでしょう。
職業としては、人をまとめる能力を活かして組織のマネージャーや管理職などが向いています。
うまくいけば、いずれは役員や幹部になる人も。
また、海外や宗教といった特徴も木星にはあるので、輸出入業、バイヤー、翻訳家、旅行のコーディネート業、哲学家、神主や僧侶、牧師なども適職です。
基本的にはどんな職種でもそつなくこなし、平均以上の成功をおさめることができます。
第10ハウスに「土星」がある人【堅実な地位】
第10ハウスに土星がある人は、仕事においての困難や役割の責任に対し真面目に取り組み、着実に社会的成功を手にするでしょう。
土星は困難や責任といった堅苦しい特徴がありますが、第10ハウスにおいてはそれが強みとしてプラスに働きます。
大器晩成型です。
仕事で結果を出すまでに、時間がかかったり苦労をするかもしれません。
しかし、コツコツと責任感をもって着実に取り組むことで、確実な評価を得ていくでしょう。
手にした評価や地位は、堅実で揺るぎのないものであることも特徴です。
土星には、伝統や継承というキーワードもあるので、実力のある上司や年長者に恵まれると「信頼すべき継承者」と認められるでしょう。
適職は、公務員、教育関係、大手企業の会社役員などカッチリした印象の強い仕事。
また、粘り強さや着実に積み上げていく職人的な職業も向いています。
陶芸家、華道、茶道、武道といった分野も良いでしょう。
第10ハウスに「天王星」がある人【時代の革命児】
第10ハウスに天王星がある人は、独自の道を歩むことが社会的成功への鍵です。
天王星は、独創的、改革的といったこだわりを強くもつ天体です。
型にはめられることが大嫌いなため、ルールに縛られたり、組織の一員であり続けることは向いていません。
常に自分の価値観やアイデンティティを追い求め、革新を繰り返すので、転職や引越しが多い傾向も。
物事を理解するには、まず自分の経験を必要とするタイプです。
フリーランスで働いたり、ベンチャー起業などで、自分のこだわりを基準にして自由に動き回るほうが能力を発揮できます。
適性のある職業は、情報関連やIT系、最先端の分野を扱う事業などです。
イノベーションを起こすことも得意なので、柔軟性のある仕事や職場環境を選ぶと良いでしょう。
個性的で、風変りと思われることを職業に取り入れてしまうことも得意です。
仕事とアイデンティティがリンクしているため、自分が納得する肩書きを欲しがります。
第10ハウスに「海王星」がある人【夢の世界で発信】
第10ハウスに海王星がある人は、社会との関わり方や成功をアートやスピリチュアルといった分野で表現していくでしょう。
海王星は、スピリチュアリティや癒しを司る天体です。
インスピレーションやイマジネーションといった感性を使い、人を癒すことを得意とします。
適職はアーティストやヒーラー、ミュージシャンやダンサー、占い師、福祉系の介護職など。
デザイナーやイラストレーター、映像関係といった世の中へ夢を売る職業も向いています。
一般的な職業や社会的地位とは直結しにくいことを仕事に選びやすいので、良くも悪くも自分の実力と評価に差が出やすい傾向があります。
才能を仕事として社会で活かすには、「時には地に足をつける必要がある」ことを意識するとよいかもしれません。
第10ハウスに「冥王星」がある人【影の支配者】
第10ハウスに冥王星がある人は、社会的に大きな影響力を持つ可能性を持っているでしょう。
冥王星は、目に見えない深いつながりや心の奥底にあるものを司っています。
集合的無意識がキーワードにあることからも、まさに「影の支配者」といえるでしょう。
第10ハウスに冥王星がある人が成功をおさめると、強大な影響力や権力を得て、その分野のカリスマになるでしょう。
洞察力があり、大きな権力を匂わせるような、ただならぬ迫力がある人も。
また、権力者とも縁があり、影響力を持つ人からの引き立てを受けることがありそうです。
権力者のナンバー2や右腕的存在として、組織や業界の司令塔となるでしょう。
冥王星には破壊と再生を起こす、といった特徴もあります。
倒産やリストラ、企業の政治的な争いに巻き込まれるなど、社会生活において大きな挫折を経験することもありそうです。
しかし、つらい経験を糧とし、さらにカリスマ的な魅力に磨きがかかっていくでしょう。
第10ハウスに天体がない人
第10ハウスに天体がない人は、社会との関わりが薄いということではありません。
ただ単に、社会的成功や仕事といったことに人生の重きが置かれていない、というだけなのです。
たとえば、好きなことや趣味を仕事にできる人はいいなと感じるけど、もしも自分が好きなことを仕事にしてしまったら、好き勝手に楽しめないだろうな、と考えて割り切ったりするタイプ。
上司など、目上の言葉を絶対だとは思いませんが、調和を乱してまで争ったり反発して自分を主張することは嫌だな、と思うタイプ。
自分がおかれた環境の中で、精一杯努力しようとしたり、与えられた仕事をしっかりこなす傾向があるとも言えるでしょう。
【まとめ】社会という舞台で活躍する自分を知ろう
第10ハウスに各天体が在室した場合を詳しくお伝えしてきました。
自分が目指したい社会的な地位、達成したい人生目標などの傾向などは見えてきましたか?
第10ハウスでわかる仕事や職業は、あくまで社会的な自己表現のひとつです。
仕事を通して自分らしさや才能を活かし、社会で活躍するためのヒントにしてみてください。
それぞれの天体の特徴や性質をしっかり把握したり、天体がなくても読み解く方法を知っておくことで、さらに深めて理解することができますよ!